アールスメロン/アールスフェボリット/マスクメロン
■アールスメロン/アールスフェボリット/マスクメロンとは?
マスクメロンの正式名称。「マスクメロン」とは、ムスク(麝香)の香りがするメロンという意味で付けられた名称で、アールスフェボリットに限ら無いんです。このアールスフェボリットはイギリス生れの品種ですが、今では日本でしか作られていないそうです。
●マスクメロンの網目模様
アールスメロンに代表されるマスクメロンには、果実の表面に出来た立体的な網目模様が大きな特徴ですね。その網目模様はどうして出来るのでしょうか?
それはメロンの成長過程に秘密があります。メロンは表面の皮の部分よりも、果実の内部の方が微妙に成長が早いため、表皮が耐えられずひび割れが出来てしまいます。その裂け目から分泌液が染み出し、それが固まってコルク質の層になり、美しい網目状の模様になるというわけです。
右の写真をよく見ると、裂けて間がない部分や、膨らみ始めた部分などが見えます。
●マスクメロン(温室メロン)
なんと言っても高級!マスクメロンとは温室で隔離ベッド栽培された「アールスフェボリット」のことで、静岡の超高級ブランドの温室アールスフェボリットは「クラウンメロン」というブランド名で、王冠マークのシールが貼られて流通しています。
ビニールハウスではなく、ガラスで囲まれた温室を使う第一の理由は、ガラスがビニールなどに比べ太陽光線の透過率が高いという事です。そうやってマスクメロンは太陽の光を沢山吸収して甘く芳醇な果肉を作り上げるんです。
●高血圧を予防するとされるGABA
高血圧を予防するとされるGABA(ギャバ=γ-アミノ酪酸)が、温室メロンには多く含まれていると静岡県農業試験場によって発表されています。ちなみに、温室メロン1個でギャバロン茶56杯分ものGABA摂取できるそうです。
■アールスフェボリット(マスクメロン)の主な産地は
●アールスフェボリット系温室栽培メロンの全国生産量ランキング
温室メロンでは高級マスクメロンで有名な静岡がダントツトップとなっています。その他茨城や愛知、高地などでも盛んに作られています。
●静岡クラウンメロン
クラウンメロンは季節に応じて約20種類もの品種を栽培し、常にベストのメロンが収穫できる体制を作り上げています。また栽培にはビニールハウスではなく太陽光線の透過率が高いガラスの温室が使われています。
その栽培は、水や温度、土壌などが徹底管理され、しかも1株に1個しか出来ないようにし、その一個に全ての栄養と栽培者の愛情が込められているため、非常に高価なものになります。そうすることで、あの芸術ともいえる美しく、美味しいメロンが出来るんですね。
クラウンメロンのランク
富士 |
外観・内容とも最高品質のメロン。1000ケースに1ケースあるかないかの貴重品。市場では高値で取引されています。まさに名人芸の逸品です。 |
山 |
富士に次ぐもの。外観・内容良質メロン。これが出来れば一人前といわれています。 |
白 |
外観・内容標準メロン。全体の6割程度を占めます。値段は比較的手頃です。 |
雪 |
外観・内容やや難あり。主に加工用に使われます。 |
キズ |
ネットにキズがあるものや、尻割れ玉等。でも外観は悪くても味はよいものが多いです。 |
■アールスフェボリットの旬は
●ほとんど温室またはハウスで栽培されています
アールスフェボリットは高級な品種なので、そのほとんどが温室やハウスで栽培され通年出回っています。