ハニーライム:来歴や特徴と産地や旬
●ハニーライムとは
◆ハニーライムの来歴
「ハニーライム」は”しずおかコンシェルジュ株式会社”の創業者、海野裕子氏が静岡県で発掘し2017年頃からブランド化を進めてこられた柑橘です。
種苗法に基づく品種登録はされていないようで、「ハニーライム」はその登録商標で2018年に登録されています。来歴はしずおかコンシェルジュのホームページには以下の通り紹介されています。
『元の苗木はレモンとネーブルオレンジの雑交種。昭和47年ニュージーランドから苗木が上陸しその後静岡のみかんと交配したハイブリッド柑橘といわれていますが、発見されるまでどのような種類の柑橘が交配したのかは今でも謎です。』
また、名称については『レモンに似ていますが、葉の形状やころんした丸いシルエットがライムに似ていることからハニーライム®と名付けました。』とあります。
柑橘類は交雑しやすいようで、地方にはこうしたハイブリットの柑橘が見られることがあります。この「ハニーライム」もそういった交雑種と思われ、通常であれば本来の特性とは違うため日の目を見ることなく規格外品として扱われるところですが、この柑橘の良さに気付き、ブランド化をされた海野裕子氏は素晴らしいですね。
◆ハニーライムの特徴
「ハニーライム」は大きさに多少ばらつきはありますが、レモンほどのサイズで、形はレモンよりも丸みがあり果頂部はレモンやライムのように突き出た形ではなく扁平で、立てて置くことができるものが多い。
12月に仕入れたものはまだ全体に緑から黄緑色のものが多いですが、2月頃には完熟して果皮全体に黄色く色付いた状態で出荷されます。
「ハニーライム」はレモンほど酸味が強くなく、糖度は一般的なミカン並みにあるとされ、さわやかな甘味と優しい酸味、それにレモンとは少し違った清々しい香りが持ち味です。
果皮が緑色のものと完熟して黄色くなっているものの断面を並べてみました。いずれも果肉は柔らかくとてもジューシーです。
シズオカコンシェルジュによると、みかんより農薬散布してから出荷までの期間も3倍長いので、残留農薬がなく果皮も安全に食べられるとのことです。
◆実際に食べてみたハニーライムの食味
果皮が黄緑色のものは清々しい香りが強く、それでいてレモンやライムほど酸味が強くなく甘味もあります。この清々しい香りは早摘みされたものの方が強く感じました。
絞ってジュースをカクテルやドレッシングに使ったり、皮ごと薄くスライスしてサラダに散らしても美味しいです。
写真は生ハムとフレッシュチーズと共にパスタに仕立てたもの。程よい酸味と柑橘の風味が良いアクセントになってとても美味しく仕上がりました。
2月に仕入れた完熟しているものは甘味がより強くなり酸味も一層穏やかになっていました。スライスしてそのまま食べても美味しく食べられる位です。
果汁は完熟果の方が絞りやすいです。
酸味が穏やかなので、レモンやライムのようなキリっとした酸味を期待するとボケた印象になってしまいますが、「ハニーライム」の持ち味を分かった上でそれを活かすような使い方をしましょう。
●ハニーライムの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ハニーライム®はしずおかコンシェルジュの登録商標で、静岡県でのみ栽培され、ています。
◆ハニーライムの収穫時期と旬
「ハニーライム」の収穫時期は10月頃から早摘みが始まり、2月頃には完熟ものになり5月頃まで出荷されているとのことです。
早摘みものと完熟ものでは香りや甘み酸味などがかなり変わってくるので、用途に合わせて使い分けましょう。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ハニーライム |
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