マスカット・ノワール(Muscat Noir):来歴や特徴と産地や旬

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●マスカット・ノワールとは

 「マスカット・ノワール」は植原葡萄研究所が「シャインマスカット」と「ジーコ」を交配し育成した皮ごと食べられる紫黒色のブドウ品種で、裂果がなく、ほのかなマスカット香があり、種なしで皮ごと食べられる黒いぶどうです。

◆マスカットノワールの来歴

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 「マスカット・ノワール」は植原葡萄研究所を営む植原宜紘氏が2009年に「シャインマスカット」と「ジーコ」そ交配し得られた61粒の種子を播種し育成した中から選抜されたぶどうで、2014年に初結果し、2015年に、ジベレリン処理により種無し化に成功したとあります。

 「マスカット・ノワール」という名称は”マスカット”香のある”黒い”=”ノワール”(フランス語)ぶどうという事に因んでいるそうです。

◆マスカットノワールの特徴

 「マスカット・ノワール」の果粒はジベレリン処理なしの初結果で平均9.6gほどで果房も小さいですが、樹が成熟するにしたがって果房も果粒も大きくなってくるそうです。撮影したものは480gほどの果房で果粒は9gほどしかありませんでした。

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 果粒の果皮色は紫黒色で果梗付け根までしっかりと着色しています。果粒と果梗はしっかりと付いていて脱粒しにくく棚持ちは良い方です。皮は渋みがなく、皮ごと食べられるブドウとなっています。

 果肉は崩壊性で、糖度は18〜21度と高く、コクがあり食味良好となっており、ほのかにマスカット香があります。

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◆実際に食べてみたマスカットノワールの食味

 撮影した「マスカット・ノワール」は時期的に遅い10月14日に入手した山梨県産で、果房重約480g、平均果粒重9gほどのものでした。

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 果粒はどれも付け根までしっかりと着色し、黒に近い濃い色で果粒同士が密に房に付いています。

 皮ごと食べてみると、皮には確かに渋みがほとんどなく、皮ごと食べることはできましたが、しっかりとしていて少し口の中に残りやすい感じでした。試しに果頂部から皮をむいてみると綺麗に剥くことができ、むいた状態でも果肉はしっかりとしていて、食べた感じは皮のままの時よりも食べやすく感じました。皮をむいても結構色が付いているので、デザートなどで使う場合は皮をむいてトッピングなどしても良さそうです。

 食味としては甘味が強く、それに対して酸味は少なく、渋みは全然気にならないレベルでした。マスカット香に関しては言われてみれば・・・という程度で強くはありません。

 計ってみた糖度は17.5~19%でした。

●マスカット・ノワールの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 「マスカットノワール」の主な産地は育成地である山梨県で、JAふえふきなどから市場に出荷もされています。ただ、農林水産省がまとめた令和元年産特産果樹生産動態等調査には記録がなく、各地の栽培面積などは不明です。岡山県や長野県など各地のブドウ産地でも栽培されている生産者がいるようですが、おそらく山梨県以外では個々の農園でわずかに作られ、直売所などで販売されているケースが多いと思われます。

◆マスカットノワールの収穫時期と旬

 「マスカット・ノワール」の熟期は山梨県において8月下旬から9月上旬にかけてとなっています。岡山県など早い所では8月中下旬に多く収穫されるところもあるようですが、山梨県産のものが市場に多く出回るのは9月上旬頃から下旬にかけてです。

品種 7月 8月 9月 10月
マスカットノワール                        

< 出 典 >

 ※ 「マスカットノワール」ブドウ品種総図鑑 植原宣紘 編著 創森社 p.106

 ※ 「Muscat Noir マスカット・ノワール」 品種リスト 株式会社 植原葡萄研究所

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