コトピー:来歴や特徴と産地や旬

皮ごと食べられる赤いぶどう、コトピー

●コトピーとは

◆コトピーの来歴

 「コトピー」は山梨県笛吹市の志村富男氏が自身の志村葡萄研究所において「甲斐乙女」に「シャインマスカット」を交配し、得られた実生から選抜育成された、欧州種に近い2倍体欧米雑種で果皮が赤い皮ごと食べられるブドウとなっています。

 育成の過程では2010(平成22)年に台木接木し、2011(平成23)年に初結果と紹介されています。

 デビューした年は現在確認中ですが、2013年には苗木の販売が行われているので、おそらくその頃だと思います。

 種苗法に基づく品種登録はされていません。

◆コトピーの特徴

皮ごと食べられる赤いぶどう、コトピー

 「コトピー」は果皮が赤い2倍体品種で、2回のジベレリン処理で種無果にすることができ果粒も肥大します。

 果房は円錐形で果粒は円形に近い楕円で、果粒の大きさは8~15gと栽培環境などによって少し幅があります。

 果皮の色は黄緑色の地にぼかし状に全体に赤く着色しやすく、果肉は崩壊性で糖度が高く安定して20度前後になるとあり、皮と密着していて皮ごと食べられるタイプのぶどうです。

皮ごと食べられる赤いぶどう、コトピーの果粒断面

◆実際に食べてみたコトピーの食味

 撮影試食したコトピーは9月26日に購入した山梨県産のもので、果粒は平均10g足らずのやや小さめのものでした。

皮ごと食べられる赤いぶどう、コトピーの果粒 皮ごと食べられる赤いぶどう、コトピーの糖度

 果皮の色付き方にグラデーションがかかったような感じで、光を当てた時にとても美しく見えました。

 食べてみると、皮ごと食べても皮は気にならずに食べることができ、果肉の歯切れもよく食感的にはとてもいいです。

 そして強い甘みが口に広がり、その甘味を支える感じでいい具合の酸味もありとても美味しいです。皮ごと食べても渋みなどはなく、粒も大きくはないのですが、それがかえって次々口に放り込める感じで好感が持てました。

●コトピーの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 コトピーは主に山梨県で作られています。ただ、栽培面積は多くなく、農林水産省がまとめている平成30年産特産果樹生産動態等調査では記載がなく栽培面積などは不明ですが、それだけ栽培面積は少ないという事でしょう。

 皮ごと食べられる高糖度の赤いぶどうで着色しやすく、裂果、病気にも強く比較的栽培しやすいとされる品種なので、もっと認知されると人気も高まると思います。

◆コトピーの収穫時期と旬

 コトピーは育成地笛吹市御坂町(標高300m)において9月上旬で、シャインマスカットと同時期とされています。

 収穫時期は8月下旬ごろから始まり、9月中旬頃までとなります。

旬のカレンダー

品種 7月 8月 9月 10月
コトピー                        

< 出 典 >

 ※ 「コトピー」志村葡萄研究所ホームページ

 ※ 「有望なブドウ品種の果実特性」宮城県「普及に移す技術」宮城県農業・園芸総合研究所第 94 号(平成 30 年度)

 ※ 植原葡萄研究所 生食用ブドウ品種の販売順位

 ※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ

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