シナノプッチ:来歴や特徴と産地や旬

シナノプッチ,りんご

●シナノプッチとは

◆シナノプッチの来歴

 「シナノプッチ」は長野県果樹試験場において1986(昭和61)年に「つがる」に「さんさ」を交配し、得た実生から選抜、育成された小ぶりの果皮が赤いりんごです。2001(平成13)年に「りんご長果19」として検討され、2009(平成21)年に種苗法に基づく登録出願、翌2010(平成22)年に品種登録されています。

 美味しいリンゴなのですが、生産者が少なく、市場には極わずかしか出回らない希少な品種の一つです。

◆シナノプッチの特徴

 「シナノプッチ」の果実は果形が扁円形で果重150~200g程と小ぶりのりんごです。

シナノプッチ,りんご

 果皮は黄色の地色に、全体に赤く着色しやすく外観が優れています。

 果肉は糖度は13~14%、酸度は0.3%程度となっているので、甘味に対してやや酸味が少なく、サイズが小ぶりで食感もパリッとしていて皮も薄く、丸かじりしやすいリンゴとなっています。

 切ってからの果肉の褐変が遅い野も特徴です。普通貯蔵はやや長、冷蔵貯蔵はやや長となっています。

シナノプッチの断面,りんご

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果形は扁円、王冠は弱、がくの開閉は中、がくあの深さは中、がくあの幅は中、こうあの深さは中、こうあの幅は中、果実の大きさは小、

 果皮の地色は黄、果皮を被う色は赤、果皮を被う色の量は多、果皮を被う色の型は少、

 さびの位置はこうあ、さびの量は中、さび状果点は無、

 果点の大きさは小、果点の密度は高、スカーフスキンは極少、

 果皮のろう質は中、果皮の粗滑の程度は滑、

 果梗の長さはやや短、果梗の太さはやや細、肉こうの有無は無、

 果心の形は平円、果心の大きさは中、

 果肉の色は白、果肉の褐変化は弱、果肉の硬さはやや硬、肉質は中、蜜の多少は少、甘味は中、酸味は弱、渋味は極弱、香気は少、果汁の多少は多、

 出願品種「シナノプッチ」は、対照品種「さんさ」と比較して、果形が扁円であること、果実の大きさが小であること等で区別性が認められる。

 対照品種「シナノピッコロ」と比較して、果皮を被う色の量が多であること、果心の大きさが中であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたシナノプッチの食味

 撮影試食した果実は9月18日に大阪市福島区にあるこだわり青果店ボニートーンさんで購入したものです。

 果実は小さく、果皮の色も綺麗な美に色でとても可愛らしいリンゴです。

シナノプッチの糖度,りんご

 皮ごとかじってみると、確かにあまり皮は気になりませんでした。食味としては、甘味と共にりんごらしい良い感じの酸味もあってとても美味しかったです。糖度を計ると12度ほどでした。

 もっと沢山買っておけばよかったとちょっと後悔しました。

 シナノプッチは収穫するタイミングによって今回のもののように酸味が残った味わいにになり、9月下旬になるにつれ酸味が抜けて甘味が強くなるようです。

●シナノプッチの主な産地と旬

シナノプッチの断面,りんご

◆主な産地と生産量

 シナノプッチは長野県が育成した品種で、主な産地は長野県です。

 農林水産省の平成30年産特産果樹生産動態等調査には記録がなく、各地の栽培面積は不明ですが、それだけ生産者が少ないという事です。

 シナノプッチは既存のリンゴ栽培地域ならどこでも栽培が可能となっており、長野県以外のリンゴ産地でも生産することができます。

◆シナノプッチの収穫時期と旬

 シナノプッチは早生種で収穫時期は育成地である長野県須坂市では9月中、下旬となっています。

 普通貯蔵はやや長、冷蔵貯蔵はやや長となっていますが、生産量が少なく、収穫されたものは貯蔵されず、すぐに出荷されていると思います。

旬のカレンダー

品種 8月 9月 10月 11月
シナノプッチ                        

< 出 典 >

 ※ 「シナノプッチ」オリジナル開発品 長野県農業関係試験場ホームぺージ

 ※ 「シナノプッチ」落葉果樹苗木販売 小町園ホームページ

 ※ 「シナノプッチ」品種登録データベース 農林水産省ホームページ

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