真紅の美鈴:来歴や特徴と産地や旬

真紅の美鈴,黒イチゴ

●真紅の美鈴とは

◆真紅の美鈴の来歴

 「真紅の美鈴」は千葉県大網白里市の育種家である成川昇氏が自園、「ナルケンいちご」において「ふさの香(「きはる」×「とちおとめ」)」に「麗紅」を交配し育成したイチゴで、2011(平成23)年に種苗法に基づく登録出願、2015(平成27)年に品種登録されています。

 育成者の成川昇氏は千葉県農林総合研究センター育種研究所で所長を務めた経験もあり、研究所に勤めていた時代には「真紅の美鈴」の交配親として用いられた「ふさの香」や「麗紅」の育成にも携わってこられた、まさに交配育成の専門家です。自身で運営されている「ナルケンいちご」も生産のための農園ではなく育種研究のための圃場がメインだそうで、正式な名称は「成川研究所」というそうです。

真紅の美鈴,黒イチゴ

 「真紅の美鈴」は果実の色が表面だけでなく果肉も濃い赤色で、その見た目から「黒いちご」とも呼ばれています。

◆真紅の美鈴の特徴

 「真紅の美鈴」の果実は大きさ的には中くらいで、形もやや縦長の円錐形で特徴はないですが、果実の色が黒っぽく見えるほど濃い赤色になるのが特徴です。

 そして、半分に切った断面を見ると分かるように、果肉も赤く、果芯まで赤いのが特徴です。果肉はやや硬めですが多汁で糖度が高く、香りが強いイチゴとなっています。

 この濃い赤色には強い抗酸化作用のあるアントシアニンが豊富に含まれ、その含有料は「とちおとめ」のおよそ3倍にもなるようです。

真紅の美鈴,黒イチゴ,断面

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさは中、果実の縦横比は縦長、果実の形は円錐形、

 果皮の色は濃赤、果実の光沢の強弱は強、そう果の落ち込みは果皮並、

 果実のがく片の付き方は上向き、果径に対するがく片の大きさはやや大、

 果実の硬さは硬、果肉の色は赤、果心の色は赤、果実の空洞は中、

 季性は一季成りである。

 出願品種「真紅の美鈴」は、対照品種「レッドパール」と比較して、果皮の色が濃赤であること、果実の無種子帯が無又は極狭であること等で区別性が認められる。

-----』

◆実際に食べてみた真紅の美鈴の食味

 今回入手した「真紅の美鈴」はクリスマスの数日前に届いた佐賀県産のもので大粒贈答用でした。

真紅の美鈴,黒イチゴ,断面

 果実は全体に赤黒く色付いており、”黒い”とまでは言えないまでも「黒イチゴ」と呼ばれる所以は感じられました。

 実は、産地から発送されてから受け取るまでに3日ほどかかってしまい、果実の状態が心配だったのですが、ご覧の通りしっかりとしていました。

 傷んでいる果実は一つもなく、果皮、果肉ともに棚持ちの良さがわかります。箱を開けた時の香りがすごく、食味の期待度も高まりました。

 実際に食べてみると、果肉は丁度いい具合の硬さでとてもジューシーでした。甘味が強く、しかも甘いだけではなく、濃厚なコクが感じられ、期待通りの美味しさでした。試しに糖度を量ってみると15.4%でした。

真紅の美鈴,黒イチゴ 糖度

 果皮だけでなく果肉も赤く、適度な酸味と、何よりも香りの強さが持ち味で、スイーツのトッピングやイチゴショートはもちろんですがピューレにしても綺麗な濃い赤色になるので、イチゴミルクにするととても美味しいだろうと思います。ムースやババロアにもお勧めです。

 また、色が一般的なイチゴに比べ明らかに赤黒いので、一般的なイチゴや白イチゴと並べても綺麗です。

●真紅の美鈴の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

真紅の美鈴,黒イチゴ

 「真紅の美鈴」は話題性はあるものの、果実の色が一般的ではないせいかまだ生産者は極わずかで、2020年の時点では育成された千葉県大網白里市でも2軒ほどしかないようです。

 その他、長野県や佐賀県など各地で個々の農園で作られていますが。全国でも生産量は少なく希少なイチゴとなっています。

 見た目の特徴や食味が良いので、もっと広まると期待したい品種です。

◆真紅の美鈴の収穫時期と旬

 収穫時期はクリスマスの前あたりから翌春3月頃までで、1~2月に最盛期となります。

旬のカレンダー

品種 12月 1月 2月 3月
真紅の美鈴                        

< 出 典 >

※ 農林水産省品種登録データベース

※ 「果肉の中まで赤~いイチゴ」千葉日報 2014.6.12

※ 「真紅の美鈴 イチゴケーキにお勧め」 日本農業新聞 2014.6.26

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