島バナナ(小笠原種):来歴や特徴と産地や旬
●島バナナの分類と特徴
◆島バナナとは
分類:ショウガ目 > バショウ科 > バショウ属
島バナナははマレーシア原産と考えられており、それが小笠原諸島にわたり、それを1870 年代に小笠原から沖縄へ移入されたと言われています。短くずんぐりした形状はモンキーバナナに似ていますが、正確な品種は不明だそうです。
熟した島バナナはねっとりと甘く酸味もあって食味がとてもいいのですが、草丈が高いため、台風の影響を受けやすく、病害虫にも弱いため流通量が少なく一般的なバナナの何倍も高値で取引されています。
沖縄県では島バナナの他に、三尺バナナをはじめ、ブラジル種やタイ原産のナムワ系と呼ばれる物なども作られているが、そういった中でも島バナナは国内産バナナの代表格的な品種です。
◆島バナナの特徴
島バナナは通常、まだ全体に緑色の状態で収穫されます。その時点では食べても美味しい物ではなく、追熟させてから食べます。
追熟はヒモなどで吊り下げておくのが一般的ですが、早く熟させたい場合はリンゴと共にビニール袋などに入れ、一晩おいてから吊り下げると少し早まります。
写真は追熟途中の色の変化を撮ったものです。だいぶん黄色くなっていますが、この時点ではまだ早く、全体に完全に黄色くなり、シュガースポットと呼ばれる黒い斑点が出始めたくらいが食べ頃となります。
島バナナの果実は一般的な「キャベンディッシュ」にくらべ太く短いずんぐりとした形で、一見よく似た品種に「アップルバナナ」とも呼ばれているブラジル種がありますが、外見上の大きな違いは先端部分で、島バナナはずんぐりと丸みがあるのに対し、ブラジル種は少し突き出た形状になっています。
島バナナの果肉は一般的な「キャベンディッシュ」に比べ、ねっとりとした食感で甘味と共に少し酸味もあり、食味が良いのが特徴となっています。
◆実際に食べてみた島バナナの食味
試食した島バナナは沖縄県産で、楽天のADAN沖縄店で1.5kg(2房)税・送料込み3800円で購入したものです。
まず、全体に黄色くはなったがわずかに黄緑の斑点が残っている状態で食べてみました。皮はスムーズに剥けましたが、食べてみると果肉はやや硬く、そして渋みが強くとても嫌な味わいでした。
次に、完全に追熟し、黒いスポットが出始めたものを食べてみました。こちらはバナナ特有の香りが強く出ていて、果肉はキャベンディッシュよりは詰まっていて硬めに感じましたが、舌触りはとても滑らかで、甘味もつよく、ほんのり酸味もあって濃厚な味わいでとても美味しかったです。
●島バナナの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
島バナナは主に沖縄県、鹿児島県で作られています。沖縄では主に石垣市、うるま市、南城市など、鹿児島県では奄美大島の瀬戸内町から徳之島、沖永良部島にかけて多く作られています。また、沖縄では一般の家庭でも庭で栽培してい足りします。
島バナナだけの栽培面積や収穫量の資料がなく不明ですが、出荷量はわずかで、本州の一般のスーパーなどに並ぶことはほとんどありません。
◆島バナナの収穫時期と旬
島バナナは熱帯性植物なので、主な産地の沖縄県では通年収穫出荷されています。その中でも収穫最盛期で出荷量が増えるのは7月から9月にかけての夏です。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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島バナナ |
< 出 典 >
※ 「沖縄における希少作物の産地化及び観光資源化検討調査」平成 30 年度 沖縄振興実現調査 内閣府沖縄総合事務局