ケルシー < スモモの品種

ケルシー ジャパン < スモモ

■ケルシーとは?

●もともとは日本で作られていた「甲州大巴旦杏(こうしゅうだいはたんきょう)」

ケルシー ジャパン < スモモ

ケルシーは古くから日本で作られていたスモモの一種で、明治時代の初め1870から1871年にジョン・ケルシー(John Kelsey)によって日本からアメリカ・カリフォルニアに持ち帰られ、広められたとされています。当時日本ではこのスモモは「甲州大巴旦杏(こうしゅうだいはたんきょう)」と呼ばれていましたが、徐々に栽培農家が減り、大正時代にはかなり廃れていたようです。一方アメリカでは、日本からやってきたこのスモモは"Kelsey's Japan Plum"ケルシーの日本スモモと呼ばれ話題になったようです。

そして大正時代に、再び「ケルシー・ジャパン」としてアメリカから日本に逆輸入されるようになったとの事です。文献により、『当時の甲州大巴旦杏そのものがケルシーとして名前を変えて逆輸入されただけで、植物学上は全く同じもの』としているものと、『甲州大巴旦杏がアメリカで品種改良されたものがケルシー・ジャパン』とされている物があります。

●ケルシーの特徴

ケルシー ジャパン < スモモ

ケルシーの果実は140~200gと、スモモの中では大きな部類に入ります。形は先が尖った形をしており、外皮はグリーンで白い果粉に覆われています。熟すにつれ少し黄味を帯びたり、中には赤みがさすものもありますが、ほとんどは熟しても緑の状態で、熟し具合の見極めが難しいです。

果肉は表面近くが黄緑で中心に向けて黄色が強くなります。断面を見ると写真のように種の周りに空洞ができるのも特徴です。肉質は緻密でしっかりとした歯ざわりが感じられ、酸味があまり感じられず甘く感じます。皮は薄く、果肉と一体感があり、剥かずにそのままかじってもあまり気にならない感じです。

■ケルシーの主な産地と旬

●ケルシーの主な産地

ケルシー ジャパン < スモモ

ケルシーの産地は国内では唯一山梨県となっています。政府の生産量データを見ると、平成22年産のケルシーの生産量は山梨県の5.4トンのみとなっています。もちろん、各地のスモモ農園でも僅かですが作られているところがあります。ただ、全体の生産量自体かなり少ないので、希少な品種の一つです。

●収穫時期と旬

ケルシーの収穫時期は8月下旬頃から始まり9月中旬ごろまでとなります。栽培地域が少なく生産量もかなり限られているので、出回る時期も極短期間となっています。スモモの中では日持する方で、9月いっぱい位は出回りますが、お店で見かけたらその時に買っておかないと次に行った時には買いそびれてしまうと考えたほうが良いでしょう。

旬のカレンダー 7月 8月 9月 10月
ケルシー                        

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