きらり/キラリ<梨の品種
■きらり梨とは?
●「おさ二十世紀」×「にっこり」
きらりは1994(平成6)年に栃木県農業試験場(宇都宮市)において、「おさ二十世紀」に栃木県のオリジナル品種「にっこり」の花粉を交配し、生まれた実生から育った実生苗から穂木を採取し、長十郎の木に高接ぎ、そこに結実した実生から選抜育成された赤梨で、2005(平成17)年に命名され登録出願、2007(平成199年に品種登録されました。
「きらり」の名称は『父親であるにっこりの名が世界遺産「日光」に由来していることから、「日の光をいっぱい浴びて『きらり』と輝いてほしい」という願いを込めて命名』されたそうです。(---栃木県農業試験場研究報告 第58号p1-5より)
これまで新高梨などの晩生種は大玉だけど果肉が粗く食味が劣るという欠点があったので、それを克服する事を目的に開発された品種で、結果、大玉で肉質が緻密で食味が良い赤梨となっています。
●きらり梨の特徴
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『----果実の形は円、梗あの深さは浅、広さはやや狭、ていあの深さは中、広さは狭、有てい果の有無は有、果実の大きさは大、果皮の色は黄赤褐、果点の大きさは中、密度は密、果面の粗滑はやや粗、果梗の長さは短、太さは太、肉梗の有無は無、果芯の形は短紡錘、大きさはかなり小、果肉の色は黄白、硬度は軟、粗密は密、甘味はやや高、酸味は弱、果汁の多少は多、種子の大きさは大、形は卵である。----』
栃木県農業試験場研究報告では、『果実の大きさは平均753gと大きく、新高よりやや大きい」とされています。肉質は緻密で柔らかく食味が良いのですが、蜜が出来てしまう事があるようで栽培が難しいようです。リンゴと違い、梨の場合、蜜が入ると果肉は柔らかくなり過ぎ、透明な感じになってしまい、食味も悪く商品価値が無くなってしまうそうです。
●実際に食べた食味
今回入手した物は650g前後の物だったので、きらりとしてはやや小ぶりの物のようです。形はリンゴを逆さに置いたような上部が締り下膨れした形をしています。右の写真は逆さに置いて横から写したものです。
皮を剥いてかじってみると、果肉はシャリシャリした優しい歯触りで、歯に力を入れなくてもサクッと入る感じ、固めの西瓜のような・・・とまでは言いませんがそれに近い感じで、果汁が滴るほどジューシーでした。甘さも十分にあり、酸味は甘味の陰に隠れて分かりません。
■きらり梨の主な産地と旬
●主な産地と生産量
栃木県が開発品種という事で、現在は栃木県だけで作られているようです。政府がまとめた平成24年産の栽培面積をみると栃木県の1.8haのみとなっています。
食味は良いのですが、まだ新しい品種という事と、栽培が難しい事などからまだ生産量がとても少ない品種です。
●きらり梨の収穫時期と旬
収穫時期は「豊水」と「にっこり」の間、「新高梨」と同晩生種で10月上旬から中旬となっています。
旬のカレンダー | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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きらり |