禅寺丸柿:特徴や味と産地や旬

禅寺丸(ぜんじまる)柿<不完全甘柿

●禅寺丸(ぜんじまる)柿とは

◆「日本最古の甘柿」

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禅寺丸柿は川崎市麻生区原産の柿で、1214(建保2)に星宿山王禅寺の山中で発見されたと言われています。当時一般に柿といえば渋柿しかなく、甘柿としては日本最古のものとして2007(平成19)年には麻生区内の禅寺丸柿の木7本が国の登録記念物に指定されています。

その後等海上人が1370年に周辺の村人に広め、明治から昭和初期のころまで盛んに栽培されて市場に出荷されていたようですが、富有柿など他の品種の登場とともに衰退し、一時は影をひそめてしまっていたそうです。

江戸時代の1648年頃から王禅寺近隣地域に栽培が広がり、明治時代の末には最盛期を迎えました。

1995(平成7)年に保存会が設立され、現在に至っています。

現在でも王禅寺周辺の農家には樹齢400年程度の古木が多く現存し、毎年たくさんの実をつけています。

◆禅寺丸(ぜんじまる)柿の特徴

禅寺丸は不完全甘柿で、熟したときに果肉に茶色いゴマがたくさん入った状態になるととても甘くなります。でも、種がないものにはゴマが入らずタンニンが水溶性のまま残るので渋柿となってしまいます。下の写真はゴマができている甘いものと、できていない渋いものです。

 

禅寺丸(ぜんじまる)柿<不完全甘柿禅寺丸(ぜんじまる)柿<不完全甘柿

禅寺丸(ぜんじまる)柿<不完全甘柿

選ぶときは、表皮が十分に色づき、お尻(果頂部)にふっくらと起伏ができているもの、また、円周状にひび割れができているものがおすすめです。

◆禅寺丸(ぜんじまる)柿の特徴

形は富有柿などに比べ腰高で丸く、小ぶりの柿です。食べ頃に熟したものは中にゴマが入り、糖度は15度くらいまで上がりますが、ゴマができていないものは渋柿となります。果肉はやや硬めで、サクッとしっかりとした歯触りが感じられます。今どきの一般的な柿に比べ甘さは並み程度ですが、食べたときの食感や風味はとてもよく、美味しいと感じました。

●主な産地と旬

◆主な産地

禅寺丸は現在商用生産も行われているほか、花粉が多い品種なので全国の柿産地で授粉用としても植えられています。政府がまとめた平成25年産の栽培面積は発祥の地である神奈川県で4.7ha、次いで埼玉県が3ha、長崎県で2ha、そして東京都に1ha の合計10.7haとなっています。

◆禅寺丸(ぜんじまる)柿の収穫時期と旬

九州など早いところでは10月中旬ごろから収穫が始まりますが、最盛期は11月初旬から中旬にかけてとなります。

旬のカレンダー

旬のカレンダー 9月 10月 11月 12月
禅寺丸柿                        

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