法蓮坊/ほうれんぼう<完全渋柿の種類
■法蓮坊とは?
●奈良県五條市の在来種
奈良県の旧西吉野村(現在は五條市の一部)で古くから栽培されてきた完全渋柿で、いつ頃から栽培されてきたのかは不明です。少なくとも現在も樹齢300年を超えると思われる樹が実を付けているそうです。
可溶性のタンニン(渋)が強く、かつては柿渋用としても用いられていたようです。その為、脱渋が出来ず、食用にするには干し柿にするしかありません。現在でもこの地方では正月用の鏡餅やしめ縄などに添える干し柿に使われている他、干し柿が製菓用としても使われ出しています。
古来からそのままの姿形で現在も実を付け続けていると思うと、単なる渋柿としてよりも貴重な存在に思えてきます。
ちなみに「法蓮坊」と言えば戦国武将の斎藤道三が幼少期に京都の妙覚寺で僧侶として修業していた頃に付けられた名称ですが、なぜこの柿がこの名で呼ばれるようになったのかは分かりません。
●法蓮坊の特徴
大きさは90g前後で小さく、縦長の形をしています。ヘタ(ガクの部分)は果実に張り付かず上に向かって咲いているように立っています。果肉はオレンジ色で写真でも分かるようにとてもジューシーです。
しかし渋柿の中でもタンニンが多い品種で、渋抜きが難しいとされ、食用にするには干し柿にするしかないようです。
干し柿は自然な甘みが強く、様々なスイーツがあふれている現代とは違い、そういったものが無かった時代には貴重は甘味だったのでしょう。
この柿の葉は柿の葉寿司にも用いられているそうです。
■法蓮坊の主な産地と旬
●主な産地と生産量
奈良県五條市の南部、旧西吉野村を中心に古木が点在しています。近年は新たにこの木を植えると言う事はなさそうです。
●法蓮坊の収穫時期と旬
この柿は主に正月用の干し柿に用いられてきたため、収穫は10月下旬頃から11月中旬頃に行われ、収穫後干されます。
旬のカレンダー | 9月 | 10月 | 12月 | 12月 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法蓮坊 |
Twitter