秋茜(あきあかね):来歴や特徴と産地や旬
●秋茜(あきあかね)とは
◆秋茜の来歴
「秋茜」は株式会社イシドウが、「ゴールデン」と「ふじ」の交配から育成され1995年に品種登録された「清明」から、着色系枝変わりを選抜した品種で、全面濃紅色に着色する中生種です。品種登録や商標登録はされていません。
◆秋茜の特徴
「秋茜」の果実は果重300~350gで、果形は円形からやや腰高の長円形になります。大きな特徴は果皮色が無袋で果実全体に濃紅色に着色しやすいという事です。
ていあ部に王冠はできにくく、心にガク片が残っています。ていあ部も綺麗に着色しているのが分かります。
果肉は黄白色で果汁が多く、甘味尾が多くさわやかな味わいのリンゴとなっています。
株式会社イシドウのホームページには以下の通り記載されています。
『-----
果実の大きさは300~350gで果形は円形~長円形、腰高で外観は良い、果皮は無袋で全体に濃紅色に着色する。
一系タイプなので着色が大変よく着色不良地域でも安心して栽培できる。
果肉は黄白色で緻密で多汁、甘味多くさわやかな食味を持っている。
着色が先行するタイプであるが早取りしても甘味多く渋味がないので観光りんご園などにも適している。
サビ収穫前の落果、つる割れがないので栽培しやすい。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた秋茜の食味
撮影試食した「秋茜」は福島県の菱沼農園さんから11月初旬に取り寄せたもの。状態が良い物は全面綺麗な濃紅色に着色していました。
食べた食感は収穫して日にちが経っていない割には柔らかめで、果汁が多く、甘味とともに引き立て役の酸味もありバランスのいいとても美味しいリンゴでした。計った糖度は12.3~13.9度でした。
数日おいてから食べてみると、食感がさらに柔らかくなっていました。このリンゴは早めに食べてしまった方が良さそうです。
今回20個入りの箱が届いたのですが、中には肉付に偏りがあるものや、上から見た時に楕円形のものも混じっていました。生産者の案内によると、開花期の天候不順などにより、種子がうまくできなかった場合こういったっ果形のものが発生しやすいとのことです。
食べてみましたが、甘く美味しいリンゴで、確かに外見が整ったものと違いは感じられませんでした。
贈答向けやお店などでのカットフルーツとしては向いていませんが、ジュースにしたり家庭で食べる分には全く問題ないですね。
●秋茜(あきあかね)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「秋茜」は生産者が少なく、令和元年産特産果樹生産動態等調査には記録がありません。主なリンゴ産地で個々の農園で少量栽培されている程度と思われます。
◆秋茜の収穫時期と旬
「秋茜」の収穫時期は産地によって多少前後はしますが、早い所では9月下旬から、東北あたりでは10月中旬頃からとなっています。
本種の貯蔵性は普通貯蔵で30日位となっており長期貯蔵には向いていないため、食べ頃の旬も収穫時期に準じ10月中旬から11月中旬ごろとなります。
品種 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||
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秋茜 |
< 出 典 >
※ 「秋茜 AKIAKANE」株式会社イシドウ
※ 「登録番号 秋茜」 農林水産省品種登録データベース