カレンベリー:来歴や特徴と産地や旬

カレンベリー イチゴ

●カレンベリーとは

 「カレンベリー」は農研機構が育成した、イチゴの4大病害に強く、果実の揃いがよく、やや晩生で、半促成栽培および露地栽培に適するイチゴです。

◆カレンベリーの来歴

 「カレンベリー」は1994(平成6)年に九州沖縄農業研究センターにおいて、萎黄病に強い「はつくに」に、食味が優れ、うどんこ病に強い「てるのか」の花粉を交配し、得られた実生から14年間ににわたり選抜育成されたイチゴ品種です。旧系統名は「イチゴ久留米58号」となっています。

 2008(平成20)年に種苗法に基づく登録出願、2010(平成22)年に品種登録されています。

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 ちなみに「桃薫」は、「カレンベリー」と桃のような香りの野生種”F. nilgerrensis”を交配して得られた艶のある系統を交配親に生まれているので、カレンベリーの孫品種となります。

◆カレンベリーの特徴

 カレンベリーのイチゴは円錐~短円錐形で粒揃いがよく、果皮は全体に橙赤から赤色で艶があります。

 果肉色は淡赤で、やや硬めの肉質で、糖度は10度前後で食味の良いいちごです。

 最大の特徴は炭疽病、うどんこ病、萎黄病および疫病といったイチゴの4大病害に対して強い抵抗性があるので栽培しやすいことです。

 農研機構・九州沖縄農業研究センターの資料には以下の通り記載されています。

1.炭疽病および萎黄病に対して中~やや強程度、うどんこ病および疫病に対して強度の抵抗性を示す。

2.草姿は立性で中間直枝型の果房形態を有し、果房当たりの着果数が少なく摘果作業が不要である。

3.果実の大きさと形状の揃いが良く、パック詰め作業が省力化できる。

4.果実は円錐~短円錐形、果皮色は橙赤~赤で光沢があり、果肉色は淡赤である。

5.「とよのか」と比べ果実硬度は高く、糖度と酸度はやや低いが、食味は良好である

6.やや晩生のため、半促成栽培および露地栽培に適する

カレンベリーの断面 イチゴ

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の縦横比は縦長、果実の大きさは大、果形は円錐、

 果皮の色は赤、果実の光沢はやや強、そう果の落ち込みは果皮並、

 がく片の着き方は反転、果径に対するがく片の大きさは大、

 果実の硬さはやや硬、果肉色は淡紅、果心の色は淡赤、果実の空洞は中、季性は一季成りである。 

 出願品種「カレンベリー」は、対照品種「とよのか」と比較して、果皮の色が赤であること、果実の空洞が中であること等で区別性が認められる。

 対照品種「さちのか」と比較して、花房当たりの花数がかなり少であること、果皮の色が赤であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたカレンベリーの食味

 撮影・試食した「カレンベリー」は2021年春に苗を購入し、自宅プランターで栽培し、その年に収穫したものと、翌2022年に収穫したものです。

カレンベリーの断面 イチゴ カレンベリーの糖度 イチゴ

 4大病害に強いとうたわれるだけあって、栽培に関して素人の私でもプランターで良い状態のイチゴが沢山収穫できました。

 イチゴの形はほとんどが綺麗な円錐形で色艶もよく、切ってみると中の果肉も赤みが強く香りもよく出ていました。

 自宅栽培なので、ぎりぎりまで完熟した状態で収穫することが出来ましたが、それでも食べてみると、果肉はややしっかりとした食感がありつつ硬すぎるという訳ではなく、甘味と酸味のバランスは予想よりもずっとよく、普通に美味しいいちごの味わいでした。高価なイチゴのような甘さはありませんが、自宅でこれだけの品質のいちごが収穫できるのは有難いです。

●カレンベリーの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 「カレンベリー」は農研機構が育成した品種で、苗は一般の種苗販売会社で誰でも入手することができ、ホームセンターなども販売されています。

 ただ、着果数が少なく営農栽培向きというより家庭菜園向けまたは育種向けの品種のようで、本種を営農栽培されているところはほとんどなく、市場で目にすることはほぼありません。


◆カレンベリーをプランターで栽培してみた

自宅庭でプランター栽培したカレンベリー

 2021年の春にホームセンターで購入した苗を2022年にわたり栽培した様子を紹介しておきます。苗はホームセンターで1苗のみで、プランターに定植後、すぐに花が咲き、実がなり始めました。

 その年はこの一株で5月下旬ごろまでに普通にスーパーで売られている位の1パック分程収穫できました。

 これまで訪問させていただいた農家さんのイチゴの様子に比べ、果房の数が少なく、実がなる数も少ないようでした。

 それでも収穫できたイチゴはどれも綺麗な円錐形で、奇形果はほとんど発生しませんでした。

 その後ランナーが幾筋も出てきたので、そのプランターの中にランダムに着床させ、株を増殖。

 冬の間も路地に置いたまま、雪も積もった状態にもなり、同じプランター内の隣に植えていた別の品種の株は枯れてしまいましたが、このイチゴは枯れることなく生育しました。


自宅庭でプランター栽培したカレンベリー

 2022年の春、市販されているイチゴ専用の肥料を追肥。プランターいっぱいに青々とした刃が沢山広がり始めました。

 4月中旬頃、花が付き始め30日に初収穫。以後次々着果し収穫が続いています。ただ、それでもやはり果房の出る数は少ないようです。

 ただ、家庭のプランターで農薬を使う事もなく、ほとんど世話をしなくても良い状態のいちごがそれなりに収穫でき、味もそこそこ美味しいので幸せな気分には慣れました。

 この株はこのまま増殖していき、来年も楽しませてくれることでしょう。

 5月14日までの時点で収穫出来たのは70粒ほどです。

◆カレンベリーの収穫時期と旬

 「カレンベリー」はやや晩生で、半促成栽培および露地栽培に適するイチゴとされています。

 一般地から暖地での露地栽培での収穫時期は4月上旬頃から5月末頃までで、収穫盛期は4月下旬から5月中旬にかけてです。

品種 3月 4月 5月 6月
カレンベリー                        

< 出 典 >

 ※ 「4病害複合抵抗性で果実揃いに優れるイチゴ新品種「カレンベリー」」九州沖縄農業研究センター 平成18年度研究成果情報 農研機構

 ※ 「登録番号19474 カレンベリー」 農林水産省品種登録データベース

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