かんなひめ / 甘雫姫:来歴や特徴と産地や旬

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●かんなひめとは

 「かんなひめ」は愛媛県の垣本商事が「紅ほっぺ」と「さがほのか」の交配から育成した果皮が硬く、輸送性に優れたイチゴ品種です。

◆かんなひめの来歴

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 「かんなひめ」は愛媛県松山市の垣本商事株式会社が「紅ほっぺ」に「さがほのか」を交配し、得られた実生から選抜育成したイチゴで、2011年に種苗法に基づく登録出願。2013年に品種登録されています。品種登録された正式な品種名は「垣研9k206号」で、「かんなひめ」という名称は垣本商事株式会社がもつ登録商標です。

 また、漢字での表記は「甘雫姫」となっていますが、こちらは商標登録されてはいません。

 商標名の「かんなひめ」は、11月(旧暦の神無月の頃)から収穫ができることに因んでいるそうです。

◆かんなひめの特徴

 「かんなひめ」の果実はやや大きめで、果形は縦長の円錐形をしており、果皮色はやや光沢のある赤色です。

 果肉は淡い橙赤色で果芯もほんのり赤いです。食味は酸味が少なく、甘みの強いイチゴとなっています。

 果皮が硬く輸送性に優れていること、花数が多く、連続性の良さも特徴となっています。

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 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさはやや大、果実の縦横比は縦長、果実の形は円錐形、

 果皮の色は赤、果実の光沢の強弱は強、そう果の落ち込みは落ち込み小、

 果実のがく片の付き方は水平、果径に対するがく片の大きさは同等、

 果実の硬さは中、果肉の色は橙赤、果心の色は淡赤、果実の空洞は無又は小、季性は一季成りである。

 出願品種「垣研9k206号」は、対照品種「濃姫」と比較して、頂小葉の基部の形が鈍角であること、果肉の色が橙赤であること等で区別性が認められる。

 対照品種「清香」と比較して、果実の縦横比が縦長であること、果肉の色が橙赤であること等で区別性が認められる。

 対照品種「こいのか」と比較して、葉の表面の色が濃緑であること、果肉の色が橙赤であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたかんなひめ / 甘雫姫の食味

 撮影試食した「かんなひめ(甘雫姫)」は12月23日に愛媛県松山市内のスーパーで購入した8粒入り/pc 429円 2パックです。

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 イチゴの大きさは平均18.4gほどで、果形はどれも整った円錐形でした。

 購入してから2日間ほど車で移動し、25日に撮影試食下のですが、果実はどれもしっかりとしていて傷みもなく、食べてみると食感はやや硬めで、甘みと酸味のバランスが良く美味しいいちごでした。計った糖度は11%前後でしたが、酸味が控えめなせいか甘く感じました。

●かんなひめの主な産地と旬

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◆主な産地と生産量

 「かんなひめ」は三好アグリテックから苗が販売されており、垣本商事株式会社との間で栽培許諾契約並びに許諾料を支払う事で全国のいちご産地で栽培することが可能です。

 ただ、大きな産地化されているところは見当たらず、個々の農園が栽培出荷しているようで、生産量はあまり多くはなさそうです。一般のスーパーなどでもあまり見かけません。 

◆かんなひめの収穫時期と旬

 「かんなひめ」は11月頃から収穫が始められることに因んだ名前で、実際に11月下旬頃から出回り、5月頃まで続きます。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
かんなひめ                        

< 出 典 >

 ※ 「かんなひめ」三好アグリテック株式会社 取扱品目

 ※ 「登録番号22823 垣研9k206号」 農林水産省品種登録データベース

 ※ 「登録番号 第5497286号 かんなひめ」特許情報プラットフォーム

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