ビワ 陽玉(ようぎょく)の来歴や特徴と産地と旬
■陽玉(ようぎょく)とは?
●「茂木」×「森本」
陽玉(ようぎょく)は1973(昭和48)年に長崎県果樹試験場(長崎県大村市)において、「茂木」に「森本」を交配、生まれた実生から選抜育成された大型のビワで、1996(平成8)年に登録出願され、1999(平成11)年に品種登録されました。出願時の名称は「ビワ長崎4号」となっています。
また、「びわ農林3号」として農林登録もされています。
●陽玉(ようぎょく)の特徴
果実の形は卵形から短卵形で、平均で60g程で、大きいものだと100gにもなり、一般的な茂木びわの大きさが40~50gなのを考えると大玉な品種ということが分かります。
品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の縦断面は短卵,横断面は円,果梗部の形は鋭,果実の大きさは大である。
果皮の色は橙黄,果実の紫斑はやや甚,緑斑は無,そばかすはやや軽,果粉の多少は中である。
果頂部の開孔は開,突出度は平,がく片の長さは中,基部の幅及びがく筒果しんの幅は広,がく筒の深さは深である。
果皮の厚さ,はく皮の難易及び果肉の厚さは中,色は橙黄,粗密は中,硬度は軟,甘味及び酸味は少,果汁の多少は多,香気は少である。
種子数は中,背面の形は短卵,大きさは小,色は褐,小斑点の多少は多である。
発芽期及び開花期は中,成熟期は中で,育成地において6月上旬,果房内の着色の揃いはやや良である。
「茂木」と比較して,枝梢が細いこと,一花穂の花数が少ないこと,果汁が多いこと等で,「野島早生」と比較して,花が大きいこと,果頂部の開孔が開であること,果肉の粗密が密であること等で,「房姫」と比較して,花穂の形が中であること,果実の緑斑が無いこと,果頂部の開孔が開であること等で区別性が認められる。-----』以上、抜粋。
●実際に食べてみた評価
今回入手した物は香川県産のもので、1個82~89gの大きさでした。写真で見て分かるとおり、卵と同じ位の大きさです。
まず驚いたのは果汁の多さです。赤道を切るように上下に切り分けた時、種が上の果肉に付いた状態で外れたのですが、下の部分、種が埋まっていた部分に果汁がみるみるたまり、それだけを飲むことができるほどでした。
皮は手で剥けますが、少し果肉が皮に付いたまま剥け、剥いた後の果実表面はあまり美しくはありません。果肉はとても食感が良く、果汁がとても多い割りに果肉緻密でしっかりとしています。
甘味はとてもあっさりとした感じで、酸味も強くなく、それでいて水っぽいという訳ではなくみずみずしい美味しさが楽しめました。
■陽玉(ようぎょく)の主な産地と旬
●主な産地と生産量
陽玉は関東から九州にかけて栽培に適しているとされる品種で、各地で栽培されているようですが、まとまった面積では栽培されていないのか、政府がまとめた平成23年産の全国の栽培面積では香川県の1.8hのみとなっています。
●陽玉(ようぎょく)の収穫時期と旬
陽玉は中生種で、収穫時期は育成地(長崎県大村市)において6月上旬頃からとなっています。収穫の最盛期は6月下旬から7月上旬にかけてで、その頃が食べ頃の旬となります。
旬のカレンダー | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
陽玉 |