涼峰(りょうほう)枇杷<びわの品種
■涼峰(りょうほう)の来歴や特徴
●長崎県のプレミアムびわ
涼峰(りょうほう)は昭和49年に長崎県果樹試験場(大村市)において、「楠」に「茂木」を交配して育成された早生種で、2007年3月に品種登録された品種です。味の良さだけでなく果実がやや大きい事や、生産量が少ないことなどもあって高級ビワとして扱われています。
●涼峰(りょうほう)の特徴
涼峰(りょうほう)の果実は卵型でやや大きく、写真の物は1個平均78gありました。表皮の色はやや薄い橙黄色で、柔らかい産毛に覆われています。果肉は非常にジューシーで、ナイフで半分に切ったとたん果汁がぽたぽたと滴り落ちてきます。果肉は柔らかめで、口の中でほぐれるように崩れる感じがします。味的には酸味があまり感じず、甘さは適度にあって、さっぱりとした甘さが感じられます。
農林水産省の品種登録データベースには以下の鳥記載されています。
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果実の縦断面は短卵、横断面は円、果梗部の形は鋭、果実の大きさはやや大である。
果皮の色は橙黄、果実の紫斑は中、緑斑は無、そばかすはやや多、果粉の多少は多である。
果頂部の開孔はやや開、突出度は平、がく片の長さは中、基部の幅は狭、がく筒果しん部の幅及び深さは中である。
果皮の厚さは厚、はく皮の難易及び果肉の厚さは中、色は橙黄、粗密はやや密、硬度は軟、甘味は中、酸味は少、果汁の多少はやや多、香気は少である。
種子数は多、背面の形は短楕円、大きさは小、色は褐、種皮小斑点の多少は無である。発芽期は中、開花期はやや早、成熟期は早で育成地においては5月中旬、果房内の着色の揃いは良である。
「茂木」と比較して、果実縦断面が短卵であること、成熟期が早いこと等で、「長崎早生」と比較して、果実が大きいこと、種皮小斑点がないこと等で区別性が認められる。
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■涼峰(りょうほう)の主な産地と旬の時期
●涼峰(りょうほう)の産地
涼峰(りょうほう)は長崎県が育成したオリジナル品種で、生産量が少なく、令和元年産特産果樹生産動態等調査によると栽培面積は長崎県の1.6haのみとなっています。
2016年に育成者権が消失しており、2022年現在、苗木はどこでも入手可能で、長崎県以外のビワの産地でも栽培出荷することができます。
●涼峰(りょうほう)が出回る時期
涼峰(りょうほう)は育成地(長崎県大村市)では5月中旬に成熟する早生種となっており、出回るのも5月中旬あたりから6月初旬あたりまでと非常に期間が短いです。
旬のカレンダー | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||||||||
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希房 |
< 出 典 >
※ 「ビワ新品種ʻ涼峰ʼ」長崎果樹試研報(Bull. Nagasaki Fruit Tree Exp. Stn.)11:1-15. 2008.
※ 「登録番号 15019 涼峰」 農林水産省品種登録データベース