リンゴの品種>ふじ(フジ)とサンふじ
■ふじ(フジ)とサンふじとは?
●「国光」と「デリシャス」の交配種
ふじは「国光」と「デリシャス」を交配し、育成された品種で1962年に品種登録されて以来日本で最も沢山作らてるようになったリンゴです。その人気は海外でも広がり、中国やアメリカなど各国で作られるようになり、世界でも最も沢山生産されているリンゴとなっています。
●ふじの特徴
フジの大きさは300~400gほどで、果汁が豊富なうえ味のバランスが良く甘味と香りはしっかりとしています。歯触りもシャキシャキと心地よく人気が高いリンゴです。
蜜が入りやすいのも特徴ですが、近年は出荷時点で糖度や蜜の具合をセンサーで判別できるようになったため、糖度が高いものや蜜入りは選別され高級品として扱われる事が多くなりました。
貯蔵性が高いのも特徴の一つで、低温庫での保存だと半年以上品質を保てると言われています。
一般に出荷量が多いため、価格は常に安定しています。そういう意味では食材としては使いやすいようですが、物により、古いものや、過熟気味のものは煮崩れしやすいので注意が必要です。
フジも果皮表面にワックス成分が付いているので、ティッシュや布で少しこするだけで艶が出ます。ただ、ワックス成分はりんご自身が保存性を高めるために分泌しているものなので、艶出しは食べる直前にしましょう。
■ふじ(フジ)とサンふじの違い
通常色付きを良くするために果実に袋をかぶせる「有袋栽培」という方法が行われていましたが、品種改良や着色系の枝変わりなどもすすみ、袋をかぶせなくてもある程度綺麗に色付くものが出来るようになってきました。 今では、大半がサンふじとなってきています。
味的には、袋を被せず育てた物の方が太陽の光をたっぷりと浴びて甘味が強くなります。そういう事から、あえて見た目の色の良さよりも食べた時の美味しさを重視した「無袋栽培」も盛んに行われています。ただし、貯蔵性、保存性の面では有袋栽培の物の方が優れています。
「サンふじ」は「サンつがる」同様、長野県産の無袋ふじの登録商標となっていますが、実際には出回っている無袋栽培のふじのほとんどがサンふじという名称で売られています。
また2010年から長野県で作り始められた「ムーンふじ」というクリーム色の物も登場しています。これは収穫までずっと袋で遮光したまま育てられたものです。
■ふじの主な産地
全国における生産量のランキングで見ると、リンゴ全体のランキングとほぼ同じような順位となっています。右の表は政府がまとめた平成23年産の全国の生産量をまとめたものです。これで見ると、青森県が国内で生産されているリンゴ全体の約半分を占めています。次いで長野県、福島県となっています。