きたろう<リンゴの品種

きたろう<リンゴ

■きたろうとは?

●「ふじ」×「はつあき」

きたろう<リンゴ

きたろうは1976(昭和51)年に果樹試験場盛岡支場(現 農研機構果樹研究所リンゴ研究拠点)において「ふじ」に「はつあき」を交配し、そこから得られた種を蒔いて育成したものが1984(昭和59)年に初結実、1986(昭和61)年に選抜、1989(平成元)年から「リンゴ盛岡52号」の系統名で系統適応性検定試験を実施し、1996(平成8)年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものとされています。交配からデビューまで20年の年月がかかっています。

1997(平成9)年に「りんご農林12号」として農林認定登録されると共に、種苗法の登録出願、2000(平成12)年に品種登録されています。出願時の名称は「リンゴ盛岡52号」となっています。

きたろう<リンゴ

●品種登録されているきたろうの特徴

品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『---------

 果実の外観は扁円,王冠は中,がくの開閉は開,がくあの深さは中,広さは広,こうあの深さは中,広さは広,果実の大きさは中,

 果皮の地色は黄緑,果皮を被う色は黄,色の強さは濃,色の量は少,さびの位置は全面,量は多,さび状果点は有,果点の大きさ及び密度は中,スカーフスキンは無,果皮のろう質及び粗滑の程度は中である。

 果梗の長さは長,太さはやや太,肉こうの有無は無である。

 果心の形は円錐,大きさは小,

 果肉の色は黄,果肉の褐色化は強,硬さは硬,きめはやや粗,蜜の多少は少,甘味はやや高,酸味は中,渋味は無,香気は少,果汁の多少は多である。種子の形は倒卵,大きさは大である。

 発芽期及び開花期は晩,成熟期は中で育成地においては10月中旬,後期落果は多,普通貯蔵性は長い,冷蔵貯蔵性は非常に長い,心かびの発生は無~僅かである。「シナノゴールド」と比較して,果実の外観が扁円であること,果実の後期落果が多いこと等で,「きおう」と比較して,成熟期が遅いこと等で区別性が認められる。』 以上抜粋。

 果実の大きさは260~270g前後で、果皮の色は黄色で、日が当たっていた部分が淡い紅色に着色します。形は扁円形でややサビが多く発生すると言う欠点があります。

 糖度は15%前後になり、リンゴ酸含量は0.5%前後で甘さと酸味のバランスがよく、食味は濃厚です。日持ち性が優れており、貯蔵期間は常温で15日、冷蔵で90日以上となっています。

●実際に食べてみた食味

 今回入手した物は長野県の直売所で買ったもので、大きさは210~300gでした。

 食べた感じは、適度に締りがあり、歯触りがサクっとした感じ。強い甘さと、それを支えるしっかりとした酸味が口に広がり、味の濃い美味しさが楽しめました。香りが強いのも好印象です。

■きたろうの主な産地と旬

きたろう<リンゴ

●主な産地

 政府がまとめた平成24年産の栽培面積をみると北海道の1.6haのみとなっていましたが、平成30年産特産果樹生産動態等調査にはもう記載されなくなっていました。

 その他今回入手した長野県や、リンゴの産地で知られる青森県をはじめとする東北地方でも作られてはいるようですが、生産量はかなり少ないと思われます。

●きたろうの収穫時期と旬

 農研機構によると成熟期は長野で9月下旬、東北北部で10月上中旬、北海道で11月上旬となっています。旬としては10月から11月上旬と考えていいでしょう。

旬のカレンダー

旬のカレンダー 9月 10月 11月 12月
きたろう                        

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