紅いわて/ベニイワテ/岩手7号<リンゴの品種
■紅いわてとは?
●岩手県オリジナル品種
紅いわては岩手県農業研究センターにおいて1991(平成3)年に「つがる」を母とし、そこに貯蔵されていた花粉(「プリシラ」と推定されています)を交雑させ、生まれた実生を「M.26」台木に接ぎ木し、その穂木を更に「M.9」台木に接ぎ木した物から得られた果実の中から選抜されたと記されています。(資料 岩手県農業研究センター報文 「リンゴ新品種「岩手 7 号」」より)
2008(平成20)年に「岩手7号」として登録出願、翌2009(平成21)年に品種登録されています。正式な品種名は「岩手7号」で、「紅いわて」は2012(平成24)年に岩手県が登録した商標名です。
●紅いわての特徴
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『果形は円、王冠は弱、がくの開閉は閉、がくあの深さは浅、がくあの幅は中、こうあの深さは中、こうあの幅は中、果実の大きさは中、果皮の地色は黄緑、果皮を被う色は紫紅、果皮を被う色の量は極多、果皮を被う色の型は中、さびの位置は全面、さびの量は極少、さび状果点は有、果点の大きさは中、果点の密度はかなり高、スカーフスキンは少、果皮のろう質は中、果皮の粗滑の程度は滑、果梗の長さは中、果梗の太さはやや太、肉こうの有無は有、果心の形は平円、果心の大きさは大、果肉の色は白、果肉の褐変化は中、果肉の硬さは硬、肉質は中、蜜の多少は少、甘味はやや高、酸味は中、渋味は極弱、香気は少、果汁の多少は多、種子の形は倒卵、種子の大きさは大、発芽期はやや早、開花期は早、成熟期はやや早、結果の早晩は中、後期落果は極少、普通貯蔵は長、冷蔵貯蔵は長、心かびの発生は極少である。』
●実際に食べてみた食味
紅いわての果実は元々は250~300gとやや小ぶりのリンゴだったようですが、高接ぎなどによりもう少し大きい物が採れるようになっているようです。今回入手した物は350g前後ありました。形はふっくらと丸く、表皮は全体に濃い紅色に色付いています。
果肉は本来硬いとされていますが、今回の物は収穫後時間が経過していたのか、やや柔らかく、サクッと歯が入り、舌にさらさらした食感が感じられました。
糖度は13~14度とされていて、口の中で酸味が軟らかく、甘味が十分感じられました。ただ、リンゴの香りはあまり感じられませんでした。
●スイーツのトッピングに最適
このリンゴは、ナイフで切り分けてからの変色が少なく、切ってからかなり時間が経っても茶色くなりませんでした。皮の色も全体に赤く綺麗で、お菓子のトッピングには最適なリンゴと言えそうです。
■紅いわての主な産地と旬
●主な産地と生産量
紅いわては岩手県のオリジナル品種として、県内だけで生産出荷されてます。岩手日報の記事によると、2015年産は10㎏入りで8500ケースの出荷が見込まれているとの事ですが、年々その量は増加しているとの事です。
●紅いわての収穫時期と旬
収穫時期は9月下旬頃から10月上旬にかけてとなっています。2015年産の市場への初出荷は9月18日だったようです。
旬のカレンダー | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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紅いわて |