津之輝(つのかがやき):旬と産地、食べ方と栄養価 

津の輝き(つのかがやき)

■津之輝(つのかがやき)とは

●「津之輝(つのかがやき)」の来歴

 「津之輝(つのかがやき)」は(独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所において「清見・興津早生」を種子親に「アンコール」を花粉親として交配し、育成されたタンゴールの一種で、2009年3月に品種登録されたまだ新しい柑橘です。

 柑橘類の栽培地において露地栽培ができますが、施設栽培では200~250gの大果で外観が良好となることから、施設栽培が望ましいとされています。

●津之輝(つのかがやき)の特徴

津之輝(つのかがやき)

 「津之輝(つのかがやき)」の果実は平均180gとなり、やや扁平気味な球形で大きさは温州みかんと伊予柑の中間くらいです。

 果皮は艶があり橙色から濃い橙色でやや赤味がかっており、やや凸凹が感じられます。

津之輝(つのかがやき)

 皮は比較的剥き易く、じょうのうは薄いので温州みかんのようにじょうのうごと食べられます。またほとんど種子が無いのも嬉しいです。

 果肉はプリッとした感じでとてもジューシーです。糖度は13度前後と高く適度な酸味が甘みを引き立て濃厚な味を楽しめます。

 農林水産省の品種登録データベースには「津之輝(つのかがやき)」の特徴が以下の通り記載されています。

『-----

 果実の形は扁球、果頂部の形は平坦、果頂部放射条溝の有無は無、果頂部の凹環の有無は無、果梗部の形は球面、果梗部放射条溝の多少は少、

 果心の充実度は中、果心の大きさは小、果実の重さは中、

 果皮の色は濃橙、油胞の大きさは中、油胞の密度は中、油胞の凹凸は凸、果面の粗滑は中、果皮の厚さは極薄、果皮歩合は極小、剥皮の難易は中、

 じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、さじょうの大きさは中、さじょう(果肉)の色は濃橙、果汁の多少は多、甘味はかなり高、酸味は中、香気の多少は多、種子数は少、

 発芽期はやや早、開花期はやや早、成熟期は早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は中、貯蔵性は中である。

 出願品種「津之輝」は、対照品種「宮内伊予柑」と比較して、果実の重さが中であること、果皮の厚さが極薄であること等で区別性が認められる。

 対照品種「せとか」と比較して、葉形指数が極大であること、果実の形が扁球であること等で区別性が認められる。

-----。』以上、抜粋。

■津之輝(つのかがやき)の産地と旬

●津之輝(つのかがやき)の主な産地

 「津之輝(つのかがやき)」は現在佐賀県や長崎県、大分県、宮崎県などの九州をはじめ、ミカンの産地として知られている各地でも栽培が始まっています。まだまだ新しい品種なので生産量は少なく、プレミア柑橘として扱われていたりもしますが、今後増えてくると思われます。

●甘柑南(うまかんな)

 長崎県島原〇南で作られた「津之輝(つのかがやき)」のなかから、外見が良く糖度12度以上の物を選果して出荷されるブランド商標です。その甘さと美味しさから高級品として扱われています。

●津之輝(つのかがやき)の収穫時期と出回る旬

 「津之輝(つのかがやき)」の露地栽培における完全着色期は11月下旬で収穫適期は1月下旬頃となっています。収穫は露地栽培で1月中旬~2月上旬にかけてで、少加温ハウス栽培では12月上旬頃からとなっています。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 12月 1月 2月 3月
露地物                        
施設物                        

■津之輝の選び方と保存方法

●美味しい津之輝の選び方

 色が赤みを帯びた濃い橙色で艶があり、ヘタの部分に青みが残っているものを選びます。持った時にずっしりと重みを感じる物の方が果汁が多く美味しいです。

●保存方法

 保存性は良い方です。時期的に気温が高くないので、冷暗所においておくだけで大丈夫です。冷蔵庫に入れる場合は乾燥しやすいのでラップに包むか袋に入れて淹れるようにしてください。

■津之輝の美味しい食べ方

●皮は剥きやすく、ジョウノウごと食べられます

津之輝(つのかがやき)

 津之輝の皮は比較的剥きやすいです。ミカンのように手で剥いても大丈夫です。ジョウノウも薄いのでそのまま食べられます。また、種が無いのも特徴です。

●ジュースに

 とてもジューシーなので、果汁を絞りジュースやゼリー、シャーベットなどに適しています。

●ケーキのトッピングに

 オレンジのような果肉をタルトやケーキのトッピングにすると彩が鮮やかです。ただ、果肉が柔らかいので房取りする際には注意が必要です。

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