津之望/つののぞみ<柑橘の品種
■津之望とは?
●「清見」×「アンコール」
津之望は国立の機関「農研機構」によって開発された柑橘で、「清見」に「アンコール」を交配し、選抜したものとされています。2010(平成22)年に出願公表、翌2011(平成23)年に品種登録されています。また、2012(平成24)年には「みかん農林18号」として農林認定されています。
●品種登録データベースで見る津之望
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『・・・・果実の形は扁球、果頂部の形は陥没、果頂部放射条溝の有無は無、果頂部の凹環の有無は無、果梗部の形はやや凹、果梗部放射条溝の多少は中、果心の充実度は空、果心の大きさは極大、果実の重さはやや重、果皮の色は橙、油胞の大きさは小、油胞の密度はやや密、油胞の凹凸は凸、果面の粗滑は中、果皮の厚さは薄、果皮歩合は小、剥皮の難易はやや易、じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、さじょうの大きさは中、さじょう(果肉)の色は濃橙、果汁の多少は中、甘味は高、酸味はやや低、香気の多少は多、種子数は中、発芽期は中、開花期はやや晩、成熟期はかなり早、隔年結果性は低、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。・・・・』
以上抜粋。
●津之望の主な特徴
大きさは平均190g程で、少し下膨れの扁球形をしています。表皮の色は橙色で、全体的な外見は温州ミカンと似ています。
温州ミカンに比べ皮がかなり薄くて柔らかく、手で簡単に剥くことができます。
中の果肉は濃いめの橙色でジョウノウ膜は比較的薄く、そのまま食べる事が出来きます。サジョウも柔らかくとてもジューシーです。
●実際に食べてみた食味
今回入手したものは和歌山県産の物で、一つ210g前後とやや大きめの物でした。
写真の通り、皮がとても薄く、手に取った感じも柔らかいです。
ジョウノウ膜も薄く、そのまま食べても気になりませんでした。
食味は口の中に入れた時に強い甘みの果汁が広がり、程よい酸味が後に続きます。香りも甘く爽やかでとても美味しく感じられました。ただ、種が入っているので、ちゅういしなければなりません。
■津之望の主な産地と旬
●主な産地と生産量
まだ新しい品種という事もあり、政府の統計データには記載がありません。長崎県をはじめ、佐賀県や和歌山県、愛媛県などのミカン産地で栽培が始まっています。
●津之望の収穫時期と旬
収穫は12月下旬からで、1月にかけて行われます。貯蔵性は中程度となっているので、食べ頃の旬は1月~2月中旬頃までとなります。
旬のカレンダー | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | ||||||||
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津之望 |