●サバ属の概要や魚種と産地と旬の時期
◆サバとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > サバ亜目 > サバ科 > Scombrinae(サバ)亜科 > Scombrini(サバ)族 > サバ属(BISMaLより)
学名:Scomber Linnaeus, 1758
和名:サバ属
英名:mackerel 仏語:Maquereau
中国語:鲐鱼
サバはサバ科サバ属に分類される魚の総称で、一般に流通しているサバにはマサバ(真鯖)とゴマサバ胡麻鯖)、そしてノルウェーなどから輸入されている大西洋サバ(ノルウェーサバ)があります。
サバ科には日本近海だけでも他にマグロ属やサワラ属、ソウダガツオ属など4族11属があり、様々な魚種を含んでいるが、その中にあって「サバ」と言えばこのサバ属のマサバ、ゴマサバ、タイセイヨウサバを指す。
ゴマサバは名前の通り体の側面と腹側に多数の小黒斑があり、縦断面の切り身が丸いことから、「マルサバ」とも呼ばれています。
マサバは「ホンサバ」、「ヒラサバ」などとも呼ばれ、春から夏にかけて北上し、秋から冬は南下します。産卵期は3月から6月。最大50㎝を超すものもいます。いずれも日本近海の代表的な大衆魚で漁獲量の多い魚ですが、マサバは近年漁獲量が減りつつあります。
大西洋サバはノルウェーサバとも呼ばれ、主にノルウェーから輸入されています。ノルウェーでは厳しい漁獲規制のもと、脂が乗った旬の時期に漁船ごとに一定量の決められた量しか漁獲できないようになっており、このために常に高い品質が維持されています。国産の物の場合、獲れるならいつでも獲れるだけ獲るというのに近い状態のため品質や価格が常に不安定となりがちです。
●サバにまつわる話
サバという名称は、もともとは小さな歯が並ぶ魚という意味で「小(さ)歯(ば)」と呼ばれていたことに因むのだとか。漢字では魚扁に青で「鯖」。これは文字通り青魚という意味。
「秋鯖は嫁に食わすな」・・・これは「秋茄子は・・・」と同じで、『脂がのって美味しいから嫁に食べさせるのはもったいない』という意味で使われることが多かったのですが、『サバの生き腐れと言われるように、サバはヒスタミン中毒を起こしやすいので、嫁にはあまり食べさせない方が良い』という意味だったりもするようです。
「サバを読む」・・・年齢をごまかしたり、大雑把な数でごまかすようなときに使いますが、これは市場で鮮度が落ちやすいサバを時間をかけて数えるよりも鮮度を優先して大雑把に数えた事に因んでいます。
「相撲の技 鯖折り」・・・これは釣り上げたサバを少しでも鮮度落ちを遅らせるために両側のエラに指をかけ、首を上に向けてへし折ることで即〆て血抜きをするのですが、この時のサバの状態に見立ててつけられた技の名前です。
●サバの主な産地は
日本各地で漁獲されていますが、茨城や千葉の房州や東北三陸地方、静岡や長崎などがあります。サバ類全体の水揚げ量で見ると、2021年では茨城県が最も多く、次いで長崎県、静岡県、三重県と続きます。この上位4つの県は2010年の時点でも同じで、全国に占める割合もほぼ同じでした。
質の高さで有名なのは、足摺岬沖で獲れるゴマサバで高知の土佐清水市の名前をとって「清水さば」ブランドとして知られています。また、大分の地付きのもので、釣りで漁獲、一定期間畜養して老廃物やストレスを無くしてから活け〆にして出荷される「関サバ」や松輪(神奈川)の「松輪サバ」が有名です。マサバのブランドの一例はこちらでも紹介しています➡。
■サバ(鯖/さば)の美味しい旬の時期
●「秋サバ」と「寒サバ」に対し夏のゴマサバ
▼マサバ
秋ナスと同じように「秋鯖は嫁に喰わすな」と言われたりしますが、脂が最ものっていて美味しい時期は晩秋から翌年2月頃まで。10~11月のものを「秋サバ」、12~翌2月頃までの物を「寒サバ」と呼びます。産卵期は春から初夏です。
▼ゴマサバ
ゴマサバはもともと脂質が少なく、一年を通して味もほとんど変わりません。ただ、マサバの味が落ちる季節に、それに代って大量に漁獲されるため、夏が旬とされています。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マサバ | ||||||||||||
ゴマサバ |
< 出 典 >
※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 p.260
※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会 p.1649
※「食材魚貝大百科④」平凡社 p.076-081
※「旬の食材- 秋の食材」 -講談社 p.33-39
※「令和元(2019) 年度マサバ太平洋系群の資源評価」中央水産研究所 国立研究開発法人水産研究・教育機構
当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。