ブドウの品種:瀬戸ジャイアンツ
■瀬戸ジャイアンツとは?
●瀬戸ジャイアンツの来歴
「瀬戸ジャイアンツ」は1979年に岡山のぶどう研究所「花澤ぶどう研究所」の花澤氏によって「グザルカラー」と「ネオ・マスカット」を交配させ得られた実生から選抜育成された黄緑色の大粒ブドウで、育成地(岡山県赤磐郡瀬戸町)において9月末~10月初旬に成熟する晩生種となっています。
1987年に種苗法に基づく登録出願、1989年に品種登録されています。
また、果粒の形が特徴的で、岡山に伝わる桃太郎伝説に因み「桃太郎ぶどう」とも呼ばれています。この「桃太郎ぶどう」という名称は 岡山県の果物を扱う岡山県青果物販売株式会社が2004年に商標登録をしています。
●瀬戸ジャイアンツの特徴
「瀬戸ジャイアンツ」は手入れをしないと着粒が粗い大きな有岐円錐の房になるが、通常は摘花など手入れされ、またジベレリンやフルメットなどのホルモン剤による種無し処理が行われ、果粒は大きくなりシャボン玉が三つくっついたような特徴的な粒の形になります。
皮は薄く、果肉は崩壊性で種もなく皮ごと食べられるブドウとなっています。食味は糖度が高く酸味が少ない甘いぶどうです。
農林水産省の登録品種データベースには以下の通り記載されています。
『-------
果房の形は有岐円錐、果房の大きさは極大、粒着の粗密は粗である。
果粒の形は倒卵、果粒の大きさは非常に大、果皮の色は黄緑又は黄白、果皮の厚さは薄、果皮と果肉の分離は難である。
果肉の色は不着色、肉質は崩解性、甘味は高、酸味は少、香気は無、果汁は多である。
種子の数は中、種子の大きさは大である。
成熟期は育成地において9月末~10月初旬でかなり遅、花振いは多、無核果粒の混入は少、裂果性は中、果梗の強さは強、果梗と果粒の分離は難である。
「カッタ・クルガン」と比較して、葉身の形が円形であること、粒着の粗密が密なこと、果物の形が倒卵であること、裂果性が少ないこと等で区別性が認められる。
--------』以上、抜粋。
●実際に食べてみた瀬戸ジャイアンツの食味
粒は大きくて、糖度は18度前後と高く、酸味は穏やかです。果肉は崩解性で果汁は普通。香りは乏しく、やや野趣のある香りもします。
皮ごと食べることになります。ただ、皮も食べやすく、ぱりっとしており、その渋みも心地いいものです。今後どんどん人気が出てきそうです。
■瀬戸ジャイアンツの主な産地と収穫時期や食べ頃の旬
●瀬戸ジャイアンツは岡山県生まれで、そこでもっとも多く作られています。
瀬戸ジャイアンツは岡山県の特産ブドウとして栽培され、栽培面積も全国の約75%を占めています。また、名前に「瀬戸」とつくこともあるせいか、作っている地方は限られています。
農林水産省がまとめた平成30年産特産果樹生産動態調査によると、岡山県の45haをはじめ、全国で59.7haで作られているようです。
●セトジャイアンツの収穫期間は短い
瀬戸ジャイアンツは栽培されている地域も限られていることもあり、上記品種登録の内容にもあるとおり通常は9月上旬から下旬にかけてが収穫時期となります。ハウスもので早いものは7月中旬ごろから出回り始めますが、出盛りで食べ頃の旬はやはり9月初旬から末まででしょう。
旬のカレンダー | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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瀬戸ジャイアンツ |
< 出 典 >
※ 「瀬戸ジャイアンツ」花澤ぶどう研究所ホームページ
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※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ