ミラクルフルーツ:特徴やミラクリンの働き
■ミラクルフルーツとは?
●アカテツ科フルクリコ属(英)miracle fruit、miracle berry
ミラクルフルーツはアフリカ西部が原産とされるアカテツ科フルクリコ属の常緑樹になる小さな赤い果実で、果実そのものはそれほど甘くないのですが、それを食べた後しばらくの間は酸味のある物が甘く感じさせる特徴を持つ事でその存在を世に知らしめた果実です。発見は1725年、探検家のシュヴァリエ・デ・マルシェが西アフリカに行った際、原住民が口にするのをみて食べてみたとされています。
●ミラクルフルーツの特徴
ミラクルフルーツは熱帯性の植物で20℃~35℃の環境を好み10℃以下では枯れてしまうことが多いと言われています。適温下では白い花をつけますが、その花は数ヶ月にもわたって開花し続けるそうです。果実は年に2回、雨季の後に収穫されます。
最大の特徴はなんと言ってもミラクルフルーツの実を食べてからレモンなど酸味が強い物を食べるとオレンジのように甘く感じさせる「ミラクリン」と言う成分を持っていることです。
果実の大きさや形は小粒のピーナッツと言った感じで、表皮は鮮やかな赤色で、半透明の白い果肉の真ん中にピスタチのような種が1つ入っています。
●酸味を甘く感じさせるミラクリン
ミラクルフルーツに含まれているミラクリンと呼ばれている成分は炭化水素鎖を持つ特殊な糖タンパク質で酸味と反応し、舌の甘みを感知する受容体と結合するためにすっぱいものであるにもかかわらず甘いと感じてしまうのだそうです。決して舌が麻痺したり、酸味自体を感じなくさせるわけではないので、単に甘くなると言うより甘酸っぱく感じると言った方が良いかも知れません。
実際私も国産の青いレモンで試してみましたが、本当にレモンとは思えないほど甘酸っぱくて、ミカンでも食べているかのように一個ペロッと食べてしまいました。
このミラクリンと言う糖たんぱく質がその働きをしている事を発見したのは横浜国立大教授の故栗原良枝氏だそうです。(ミラクルフルーツ協会より)
この効果は後に食べたり飲んだりするものなどにもよるようですがミラクルフルーツを食べてから30分から2時間程続くようです。ちなみに、ミラクリンは熱に弱く、暑いものを飲み食いすると早く効果が消えるとのこと。
■ミラクルフルーツの主な産地は
●国内でも栽培されています
ミラクルフルーツは熱帯性の植物なので国内での露地栽培は難しいようですが、温室での栽培で出荷されているところが何箇所かあるようです。
●フリーズドライのもの
フィリピンで作られたミラクルフルーツをフリーズドライにされたものがワールド・アグリ・エンタープライズと言うところから販売され出回っています。
●家庭向けに苗木も
各地の園芸業者からは家庭での観賞用をかねた苗木が販売されています。
■ミラクルフルーツの写真画像ギャラリー
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