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かんきつ中間母本農6号

柑橘 かんきつ中間母本農6号

かんきつ中間母本農6号 みかん 柑橘

●かんきつ中間母本農6号とは

 「かんきつ中間母本農6号」は農研機構が「キングマンダリン」に「無核紀州」を交配して育成した果皮色が橙の柑橘である。

◆かんきつ中間母本農6号の来歴

 「かんきつ中間母本農6号」は1986(昭和61)年に果樹試験場興津支場(現カンキツ部興津)において、「キングマンダリン」に「無核紀州」を交雑して育成された柑橘で、2001(平成13)年に登録出願、2004(平成16)年に品種登録されている。

かんきつ中間母本農6号 みかん 柑橘

 この「かんきつ中間母本農6号」は品種名に「中間母本」とあるようにこの品種を交配親として育種することを想定して登録された品種のため、本来一般の小売市場に出回ることは無いはずであった。

 ところが、このみかんの味の良さから小売業者をはじめ流通・加工関係者から高く評価され、市場に求められるかたちで徐々に広まってきた珍しいケースである。

◆かんきつ中間母本農6号の特徴

 「かんきつ中間母本農6号」の果実は扁球形で平均果重が約120gと一般的な温州みかんに比べ小さく、撮影試食したものも80g足らずであった。かんきつ中間母本農6号 みかん 柑橘

 果皮は橙色で、厚さ3.5mm内外、果皮歩合は約30%、ジョウノウ膜はやや柔らかい程度でサジョウは濃い橙色、果汁が多く、キングマンダリンに似た香りを持つ。

 「かんきつ中間母本農6号」の優れている点と一般市場向けではない理由となる欠点を整理すると以下の通り。

優れている点

 〇高糖度で食味が良い。

 〇完全に種無しである。

 〇果肉や果皮に、健康に良い作用を持つとされる機能性成分のβ-クリプトキサンチン、シネフリン等のカロテノイド類やノビレチンなどフラボン類等を多く含む。

 〇貯蔵性が大変良く、低温貯蔵で初夏まで保存できる。

 〇豊産性でしかも隔年結果性が弱く毎年安定して収穫できる。

一般向けとしては残念な点

 ●果実がやや小さい。

 ●皮がやや硬く手で剥きにくい。

かんきつ中間母本農6号 みかん 柑橘

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『—–

 果実の形は扁球、果形指数は中、果頂部の形は平坦、放射条溝及び凹環の有無は無、果梗部の形は球面、放射条溝の多少は中である。

 果心の充実度はやや密、大きさは小、果実の重さは中、果皮の色は橙、油胞の大きさは小、密度は密、凹凸は平、果面の粗滑及び果皮の厚さは中、果皮歩合は大、剥皮の難易は中である。

 じょうのう膜の硬さはやや軟、さじょうの形及び大きさは中、色は橙である。

 果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は多、種子数は無である。

 発芽期は晩、開花期はやや晩、成熟期はやや早で育成地においては1月下旬である。隔年結果性は中、浮皮果及び裂果の発生は無、貯蔵性は中である。

 「キングマンダリン」と比較して、果面が滑らかであること、無核であること等で、「無核紀州」と比較して、果実が大きいこと、果皮が厚いこと等で区別性が認められる。

—–』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたかんきつ中間母本農6号の食味

かんきつ中間母本農6号 みかん 柑橘

 撮影試食した「かんきつ中間母本農6号」は3月下旬に百貨店で購入した香川県産で、平均果重80g足らずの小ぶりのものでした。

 果皮は温州みかんより少し色が濃い橙色で果面は比較的滑らかでした。

 赤道で半分に切った断面は種がなくサジョウの粒感もゼリーのようで果汁の多さが感じられます。

 試しに手で皮をむいてみると皮に締りがあり指先に少し力を入れなければならず、むけないことは無いという印象。

 食べてみると強い甘みが広がり、それに応じた適度な酸味もあって濃厚な味わいです。またさわやかな香りも美味しさを引き立てています。

 計ってみた糖度は16.6度と甘味の強さが裏付けられました。

かんきつ中間母本農6号 みかん 柑橘

 ただ、やはり粒が小さいことと、皮がむきにくく、ジョウノウ膜も硬くはないが温州ミカンのような食べ方をすると粒が小さいこともあって舌に感じる度合いが比較的強く感じられます。そういう点で生食よりも果汁を絞ってジュースなどで楽しむ方がお勧めかもしれません。

●かんきつ中間母本農6号の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 農林水産省がまとめた2019(令和元)年産の特産果樹生産出荷実績調査によると、全国の「かんきつ中間母本農6号」の栽培面積は3.1haで、総収穫量は8.6トンとなっています。

 産地としては香川県が2.2ha、と熊本県1.1haのみとなっています。また、「かんきつ中間母本農6号」は農研機構が育成した品種で、苗木は果樹苗業者から一般に販売されているので、これらの産地以外でも栽培されている農園はあると思われます。

 いずれにしても全国的に極わずかしか栽培されておらず、一般のスーパーなどにはほとんど出回らない希少な品種となっています。

◆かんきつ中間母本農6号の収穫時期と旬

 「かんきつ中間母本農6号」の成熟期は1月下旬~2月上旬とされ、収穫もそれに合わせて行われているが、本種は貯蔵性が高く、低温貯蔵すると初夏頃まで美味しく食べることができる。

 多く出回り美味しい旬の時期は2~3月。

品種 1月 2月 3月 4月
かんきつ中間母本農6号                        

かんきつ中間母本農6号 みかん 柑橘

< 出 典 >

 ※ 「かんきつ中間母本農6号」 農研機構 品種紹介

 ※ 「「農6」ユーザーに押され普及へ」 農研機構「旬」の話題 2014年5月19日

 ※ 「登録番号12070 かんきつ中間母本農6号」 農林水産省 品種登録データベース