マスカット・ベリーA(Muscat Bailey A) < ブドウの品種
■マスカット・ベリーAとは?
●アメリカブドウのラブルスカ種「ベーリー」×ヨーロッパブドウのヴィニフェラ種「マスカット・ハンブルグ」
マスカット・ベリーAは新潟県の岩の原葡萄園の創始者で「日本のワインぶどうの父」とも呼ばれる川上善兵衛氏によって、アメリカブドウのラブルスカ種「ベーリー」にヨーロッパブドウのヴィニフェラ種「マスカット・ハンブルグ」を交配し、生まれた実生を選抜育成された黒ブドウです。1927年(昭和2年)に生まれ、その後1940年(昭和15年)に生食・醸造用品種として公に発表されて以来全国各地で栽培されるようになりました。
かつては人気品種としてスーパーなどにも沢山並んだ時代がありましたが、近年は様々な品種が登場し、店頭に並ぶ量はかなり減ったように思います。今でもぶどう狩りではおなじみの品種ではないでしょうか。また今では生食向け以外に国産赤ワイン用ブドウ品種として最も多く作られている品種となっています。
ニューベリーAという名称で売られているものもありますが、これはジベレリン処理された種無しのマスカット・ベリーAの名称です。ただ、現在では生食向けに出荷されるものはマスカット・ベリーAという商品名であってもほとんど種無しになっているのではないでしょうか。
●マスカット・ベリーAの特徴
マスカット・ベリーAは自然のまま実を付けるとかなり大きな房になり、果粒は黒に近い紫色のやや大粒のブドウです。皮は厚く食べる時は皮を剥くか出さなければなりません。果肉は皮を剥いた表面は赤紫色で、果肉自体は薄い黄緑色です。
果汁が多く、とても甘い上にそれを支える酸味もしっかりとあり、濃厚な美味しさを感じさせてくれます。
●赤ワイン用ブドウ品種としてのマスカット・ベリーA
現在国内の赤ワイン向けブドウ品種としてはマスカット・ベリーAが最も多く作られています。このぶどうで作られたワインはイチゴのような香り、渋み成分がまろやかなのが特徴となっています。
また、2013年(平成25年)には国際ブドウ・ワイン機構(OIV)がマスカット・ベリーAをワイン用ブドウ品種として登録認定し、2010年に認定された「甲州」に次いで世界的に日本で生まれたブドウ品種が認められました。
■マスカット・ベリーAの主な産地と旬
●主な産地
主な産地は山梨県で、全国の2割を占めています。右の表は政府がまとめた平成24年産の全国の栽培面積です。山梨県に次いで兵庫県、広島県と続きます。
●マスカット・ベリーAの収穫時期と食べ頃の旬
マスカット・ベリーAは8月中旬頃から収穫が始まり、10月頃まで続きます。生食向けのものが沢山出回る旬の時期は8月下旬頃から10月初旬頃までとなります。
旬のカレンダー | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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マスカット・ベリーA |