クロソイ(黒曹以)/ソイ:生態や特徴と産地や旬

クロソイ(黒曹以)/ソイ

●ソイ/クロソイの生態や特徴

◆ソイ/クロソイとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > カサゴ目 > カサゴ亜目 > メバル科 > メバル亜科 > メバル属(BISMaLより)

学名:Sebastes schlegelii Hilgendorf, 1880

和名:くろそい/黒曹以

英名:Korean rockfish、Black rockfish

別名:ソイ、スイ、クロゾイ、ナガラ

 クロソイはウスメバルなど一般にメバルと呼ばれる魚と同じフサカサゴ科メバル属の一種で、市場ではキツネメバルなどと共に単にソイとして扱われることも多いが、その中では最も大きくなる種で、「北海道の鯛」あるいは「北の鯛」とも言われている。

 メバルと同じ仲間の白身魚だが、見た目の色が映えないせいか、市場での価格が意外に安く、サイズも丁度良いとあってレストランなどではとても使い勝手がいい魚である。かつて都内のブラッスリーで支配人をしていた時、その店のシェフがランチ用としてよく使っていたことを思い出す。

◆クロソイ/ソイの生態

クロソイ(黒曹以)/ソイ

 クロソイは千島列島辺りから南の、日本海沿岸及び高知県辺りまでの太平洋沿岸、それに瀬戸内海、東シナ海にいたる広い海域に分布し、比較的浅い水深100m程までの岩礁域や根が点在する砂泥底などで甲殻類、多毛類、それに大きく成長すると小魚も捕食し生息する。

 メバルと同じく卵胎生で、晩秋から冬にかけて沖合の深場で交尾し、春には浅い沿岸に寄り初夏頃稚魚を出産する。成熟には3年かかり、寿命は10年以上とみられる。

 「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は北海道全域、青森県〜長崎県の日本海・東シナ海沿岸、青森県〜千葉県銚子の太平洋沿岸、瀬戸内海、駿河湾、三重県、土佐湾となっている。さらに海外においては河北省~浙江省の中国沿岸、朝鮮半島全沿岸から間宮海峡を経てサハリン南東岸・西岸、千島列島南部に分布する。

◆クロソイ/ソイの特徴

 クロソイは成魚で30cm前後のものが多いが、中には60cm程の大きなものもいる。メバル属なので、全体的な体形はメバルと同じで体に対して頭部やヒレが大きい。

クロソイ(黒曹以)/ソイ

 体色は名前の通り全体に黒っぽいものが多いが、生息環境などにより紋様や色はかなり違いがあるようで、キツネメバルなどとの見分けが難しい。

クロソイ(黒曹以)/ソイ

 クロソイの涙骨には写真のように鋭く尖った3つの棘があり、キツネメバルのそれは角がなく丸みを帯びているという違いがある。

 背ビレは14棘14~17軟条からなり、主上顎骨にウロコはない。

●クロソイ/ソイの主な産地と旬

◆主な産地

クロソイ

 クロソイは北海道や青森県など、北国での漁獲が多く、太平洋側よりも日本海側で多く漁獲されている他、まとまった量にはならないようだが北陸から山陰にかけての日本海沿岸や中部辺りまでの太平洋沿岸でも漁獲されている。

 また、岩手県など各地で種苗の放流も行われている。

◆クロソイ/ソイの漁獲時期と旬

 クロソイは定置網や刺し網、底建て網、釣りなど様々な漁法で漁獲されているが、この魚だけを目的とした漁は無く、色々な魚と共に混獲され水揚げされるため量的な差異はあるが一年を通して市場には出荷されている。 漁獲量が多いのはクロソイが沖合と沿岸を移動すると思われる秋から初冬にかけてと、春から初夏にかけての年に2回ピークがある。

 初夏に獲れる雌はおなかの中に仔を抱えているものも多く、食べて美味しい旬の時期は晩秋から冬。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
クロソイ                        

< 出 典 >

 ※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 p.140

 ※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会 p.676

 ※「食材魚貝大百科②」平凡社 p.102

 ※「旬の食材- 冬の食材」 -講談社 p.33

 ※Sebastes schlegelii Hilgendorf, 1880 FishBase

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