ー 目 次 ー
■エッチュウバイ/白ばい貝/シロバイの生態や特徴
●エッチュウバイとは
分類:軟体動物門 > 腹足綱 > 直腹足亜綱 > 新生腹足上目 > 吸腔目 > 高腹足亜目 > 新腹足下目 > Buccinoidea上科 > エゾバイ科 > エゾバイ属(JODC Datasetより)
学名:Buccinum striatissimum Sowerby, 1899
英語:Finely-striate Buccinum
別名:シロバイ/白ばい、バイガイ/ばい貝、シロニシ(鳥取県)
エッチュウバイ(越中ばい)はエゾバイ科エゾバイ属の一種で、市場では近縁種のカガバイ(加賀ばい)やオオエッチュウバイなど白っぽいバイガイを総称してシロバイ(白ばい)とも呼ばれている。
美味しい貝として知られ産地にとどまらず、広く市場に出荷されている。
「越中ばい」と書くが、むしろ「越中」である富山湾あたりには少なく、この辺りではマバイとも呼ばれるカガバイが多く獲れる。このカガバイは「加賀ばい」と書くが、能登半島より西部にある加賀沖ではあまり獲れず、和名を付ける時にあべこべになってしまったのではないかとも思える。
また、新潟以北ではアキタバイと呼ばれるものが獲れるが、これはエッチュウバイが小型化した変異種とされている。
●エッチュウバイの生態
エッチュウバイは日本海に分布し、水深200~500mの砂泥底で魚などの死骸を食べて生息している。夜行性で日中は砂泥の中に身を潜め、暗くなってから活動すると考えられている。
エッチュウバイに関する生態はまだまだ不明な点が多いが、産卵期は5月~6月頃とみられる。
●エッチュウバイの特徴
エッチュウバイは殻の長さが10~12cm程、殻径7cmで、エゾボラ(マツブ)程は大きくならない。螺塔は高く、各層は良く膨れ、縫合は深くくびれるため、直下はやや平になる傾向がある。成長した個体は殻口外唇が厚くなり外に反り返る。ただ、殻は薄く割れやすいため、漁獲されるときに殻口辺りが割れてしまっているものが多い。
殻の地色は白で、表面はきわめて細かい螺肋と成長脈が入っており木綿の布地のような肌をしており、その表面は薄い淡黄色の殻皮に包まれている。大きく成長したものの多くはこの殻皮が部分的に皮が剥げている。
近縁種のカガバイはこの殻皮がはがれにくく、色合いも赤茶っぽいことと、縫合がエッチュウバイほどくびれていないことで区別できる。
中の身の色は白からクリーム色で、表面に黒い霜降り状の斑点がある。オスには右触覚後方からしっかりとした管状のペニスが伸びている。
シロバイ/白ばいの産地と旬
●シロバイ/白ばいの主な産地
エッチュウバイは日本海全域で獲れるが、富山湾周辺ではあまり獲れず、代わりにカガバイが多く獲れる。主な産地は能登半島より西側の日本海で、特に島根県の隠岐島から浜田沖で沢山穫れる。また、新潟から北部ではアキタバイと呼ばれるやや小型に変異したタイプのものが獲れる。
京都の丹後ではズワイガニ漁の底曳網でも混獲されている。
●シロバイの旬の時期
エッチュウバイは通年水揚げされているが、刺身で食べるなら晩秋から冬にかけてが最も美味しい。夏は煮付けや壺焼きが美味しいと感じる。
種類 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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カガバイ | ||||||||||||
エッチュウバイ |
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