ー 目 次 ー
- ドスイカの生態や特徴
- ドスイカとは
- ドスイカの生態
- ドスイカの特徴
-
ドスイカの主な産地と旬
- 主な産地と生産量
- ドスイカの漁獲時期と旬
-
ドスイカの調理のポイントや食べ方と料理
- 調理のポイント
- ドスイカの刺身
- 羅臼の海の幸(キンキ、ドスイカ、トクビレ、ダイオウキジンエビ)のブイヤベース
- ドスイカのパスタ
- ドスイカのフライや唐揚げ
- ドスイカの写真ギャラリー
●ドスイカの生態や特徴
◆ドスイカとは
分類:頭足綱 > 鞘形亜綱 > 十腕形上目 > ツツイカ目 > 開眼亜目 > テカギイカ科 > Berryteuthis(ドスイカ属)(BISMaLより)
学名:Berryteuthis magister magister(Berry, 1913)
和名:どすいか
英名:Magister armhook squid、Commander squid、Schoolmaster gonate squid
別名:タコイカ
ドスイカはカタドスイカ(Berryteuthis magister nipponensis)、ニホンカイドスイカ(Berryteuthis magister shevtsovi)の2亜種と共にテカギイカ科ドスイカ属に分類される中型のイカである。
北の寒い海域に多く生息し、食用としてだけでなく、マッコウクジラなどのクジラやイルカなど餌としても重要な資源となっている。
ただ、本種は表皮が非常に緩く、漁獲されてからの見た目が著しく悪い事や水分が多く傷みが早い上、食味も特に良いとは言えないため遠隔地の市場に出荷されることはほとんどなく、主に産地で消費される。
ただ、近年スルメイカが不漁のため、その代替え原料として需要が増えてきているようだ。また、本種は加熱調理しても実が柔らかいことを逆に活かした揚げ物の加工品なども目にするようになった。
◆ドスイカの生態
ドスイカは三陸沖からカナダのバンクーバーあたりの沖にかけて、それより北の亜寒帯北太平洋一帯の水深200~1200mに多量に分布するとみられ、小魚や甲殻類、更には同種や近縁種を共食いしたりもするようだ。また、底生生物だけでなく、中層魚なども捕食していることがわかっており、昼夜で海底から上層まで移動をすると考えられている。
◆ドスイカの特徴
ドスイカは胴長30cmほどになり、体形はスルメイカに近いが、胴の中ほどがやや膨らんだ形になっている。ヒレ(エンペラ部分)が大きく、長さは外套長の1/2前後あり、幅は外套長の7~8割ほどになる。
ドスイカにはテカギイカ科の特徴である、腕に吸盤と、吸盤が変形した鉤(爪)が並んでいる。
また、大きな特徴として、体を覆う表皮が水分を含みとても柔らかく、漁獲後著しく見た目が悪くなり、知らない者が見ると腐っているようにさえ見えてしまう。
撮影した個体は北海道羅臼の丸の野水産さんから届いたもので、触腕が無く腕が8本のみだった。本種はいとも簡単に腕を自切する事が知られており、今回のものも漁獲時かそれ以前に触腕を失ってしまったと思われる。ただ、同じテカギイカ科にはもとから触腕が無く8本腕のタコイカという種もおり、生息域や外見も似ているため混同されやすく、この個体もタコイカの可能性も捨てきれない。
●ドスイカの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
ドスイカは三陸沖から北海道東岸、アリューシャン列島にかけての沖合、水深300m以深の底引き網で他の魚種と共に混獲される。本種が多く生息するのは更に深いとみられることから、この底引き網で漁獲される数はそう多くはない。
主な産地は北海道の羅臼で、見た目の悪さと傷みの早さから遠隔地に出荷されることはほとんどなく、主に産地で消費されている。
◆ドスイカの漁獲時期と旬
ドスイカはほぼ通年漁獲されているようだ。食べて美味しい旬は不明。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ドスイカ |
●ドスイカの調理のポイントや食べ方と料理
◆ドスイカの調理のポイント
ドスイカは見た目が悪いが、表面の皮を剥いてしまえば他のイカとあまり大きな違いはない。
表皮は柔らかく、手で剥こうとすると途中で千切れやすいが、包丁の刃先でこすると綺麗に剥ける。
身質は胴、ゲソともに水分が多く柔らかい。また、甘みや旨味もスルメイカなどに比べると少なく感じる。
身は加熱調理しても柔らかく簡単に噛み切れるので、お年寄りや小さな子供でも食べやすい。
◆ドスイカの刺身
ドスイカは甘みや旨味が少なというので、胴の身を一度冷凍してから刺身にしたもの。イカは冷凍することで旨味が増しより美味しくなるという事を利用したわけだ。
結果、生のままよりはわずかに旨味が増したように思うが、他のイカのイメージが強く、それらと比べてしまい、やはり物足りなさを感じる。また、食感がコリコリやシコシコではなく、モチモチという感じ。
●羅臼の海の幸(キンキ、ドスイカ、トクビレ、ダイオウキジンエビ)のブイヤベース
北海道羅臼から届いたキチジをはじめ、ハッカク(トクビレ)やガサエビ(ダイオウキジンエビ)、ドスイカを使ったブイヤベース。
魚介から出た出汁がトマトの旨味と相まってとても美味しいです。羅臼の海の豊かさが感じられます。
◆ドスイカのトマトソースパスタ
写真は上のブイヤベースのスープをパスタに仕立てたもの。ドスイカは煮ても柔らかく食べやすい。
トマトソース以外にも、アーリオオーリオにしても美味しい。
◆ドスイカのフライや唐揚げ
ドスイカは加熱しても食感が柔らかい事を逆に活かし、フライや唐揚げもお勧め。サクッと歯切れよく年配者やお子様でも食べやすい。
< 出 典 >
※「食材魚貝大百科③」平凡社 p.024
※「ドスイカ」新編 世界イカ類図鑑 全国いか加工業協同組合 p.162
※「Berryteuthis magister」 SeaLifeBase
※「Berryteuthis magister」 Wikipedia
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