ー 目 次 ー
●ザルガイの生態や特徴
◆ザルガイとは
分類:二枚貝綱 > 異歯亜綱 > マルスダレガイ目 > Cardioidea(ザルガイ上科) > ザルガイ科 > Trachycardiinae(ザルガイ亜科) > Acrosterigma(BISMaLより)
学名:Acrosterigma burchardi (Dunker, 1877)
和名:ざるがい/笊貝
ザルガイはザルガイ科を代表する二枚貝で、学名はシノニムがいくつかあり、BISMaLでの表記に従い”Acrosterigma burchardi”としているが、WoRMSでは”Vasticardium burchardi”が正式となっている。
ザルガイ科にはトリガイやエゾイシカゲガイも含まれている。ザルガイは漢字で「笊貝」と書くが、これは殻の形と、その殻表に現れる放射肋が笊(ざる)を思わせることに因む。
あまりまとまって獲れないのか、食味は良いのだが一般市場に出荷されることはほとんどなく、産地で消費されている、食材としてはマイナーな貝で、価格も安く、産地で見かけたら是非買って食べてみていただきたい。
◆ザルガイの生態
「日本近海産貝類図鑑」によるとザルガイは潮間帯から水深20mほどの砂底に生息し、トリガイのように長く発達した脚をくねらせるように動かし、殻を砂に潜らせて短い水管を殻の間から突き出している。
房総半島から九州にかけての太平洋沿岸に分布する。
◆ザルガイの特徴
ザルガイは殻高8cmほどになる二枚貝で、撮影したものは大きく、殻高9cm殻長7cm近いものでした。
形はおおむね卵円形で膨らみは強く、前部は丸いが後部はやや切り立った形になっている。殻は厚くはないが硬い。
殻表はややオレンジに近い淡黄色で、殻表には肋間は狭いが深い45本ほどの放射肋で覆われており、後背部の肋には鱗片が見られる。
殻を開けると写真のように、オレンジ色の脚が折り畳まれて収まっており、水管はとても短く目立たない。
●ザルガイの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
ザルガイは漁獲量が少なく、ほとんどが産地周辺で消費されている。主な産地は愛知県三河周辺。
◆ザルガイの漁獲時期と旬
ザルガイの旬は不明。撮影したものは10月下旬に三河一色で仕入れたもの。身の具合や食味は悪くなかった。同じザルガイ科のトリガイのように「春貝」と「秋貝」のような違いがあるのかもしれない。機会があれば春にも食べてみたい。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ザルガイ |
●ザルガイの目利きと調理のポイント
◆選び方
ザルガイを買う場合は、基本的に生きていることが前提となる。脚を伸ばして動いているもの、殻を触れると素早く閉じるものを選ぶ。
なるべく大きく、持った時にしっかりと重みを感じるものが良い。
◆ザルガイの調理のポイント
基本的にはとり貝と同じと考えていい。さばき方はトリガイの頁を参照していただきたい動画でもご覧いただける。
殻の中に砂を含んでいるものが多いので、殻ごと焼いたり煮たりする料理には向いていない。
食用にするのは脚の部分と貝柱とヒモ。殻を開け、中の身を取り出し、エラや内臓を取り除く
生食できなくはないが、サッと茹でた方が甘味が出て美味しい。
●ザルガイの美味しい食べ方と料理
◆ザルガイの刺身
ザルガイの脚を内臓などを取り除き、塩でもみ洗いしてから生で食べてみた。
シコシコとしっかりした食感が楽しめるが、やや磯臭さのような風味が強い。写真を撮るのを忘れてしまったが、この半分はサッと湯引きして見たところ、やはりその方が甘味も増して美味しく頂けた。
◆ザルガイ、イタヤガイ、赤貝のガーリックソーススパゲッティ
三河一色で一緒に仕入れた貝3種を使ってガーリックソースのスパゲッティにしたもの。
< 出 典 >
※「日本近海産貝類図鑑 第二版」奥谷喬司編著 東海大出版部 p.575 / p. 1235
※Vasticardium angulatum (Lamarck, 1819) WoRMS
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