トモメヒカリ- Chlorophthalmus acutifrons -

●トモメヒカリの生態や特徴

◆トモメヒカリとは

分類：魚類 ＞条鰭綱 ＞ ヒメ目 ＞ アオメエソ科 ＞ アオメエソ属（BISMaLより）

学名：Chlorophthalmus acutifrons Hiyama, 1940

和名：ともめひかり

英名：Greeneye

　トモメヒカリは一般にメヒカリと呼ばれているマルアオメエソやアオメエソと同じアオメエシ科アオメエソイ属の近縁種である。

　深海底引き網によって他の魚貝と共に混獲されるが、その数は多くはなく常に市場に出ている魚ではない。ただ、食味は品のある白身で適度な炙胃らもあって美味しい。

　学名の属部”Chlorophthalmus”は『黄緑色の目の』という意味のギリシャ語”Chlorõs”＋”ophthalmos”からなり、種部”acutifrons”は『尖った顔の』という意味のラテン語に因む。

◆トモメヒカリの生態

　トモメヒカリは水深183～950ｍの大陸斜面上部活きの深海に生息し、暗い海底でわずかな光も感じ取れるようグリーンの大きな目を持っている。また、マルアオメエソなどと同じように肛門周囲に黒い発光器を持っている。

　「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は青森県～茨城県の太平洋沿岸（稀）、駿河湾〜九州南岸の太平洋沿岸、東シナ海大陸斜面上部域、先島諸島南方（仔魚）とされ、海外では済州島、台湾南部、中国南シナ海沿岸、フィリッピン諸島に分布する。

◆トモメヒカリの特徴

　トモメヒカリは標準体長30cmほどになる、国内のアオメエソ科では最大種で、体形はマルアオメエソを大きくした感じだが吻の先が尖った形になっているのが特徴。

　似た近縁種のツマグロアオメエソとは、尾ビレ後端が黒く、下顎の外歯叢がほぼ３列のツマグロアオメエソに対し、トモメヒカリは尾ビレ後端が黒くなく、外歯叢はほぼ2列であることで区別できる。

●トモメヒカリの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

　トモメヒカリを目的とした漁はなく、底引き網で混獲されるにすぎない。獲れる数も多くはなく、一般のスーパーなどに並ぶことはほとんどない。

　漁獲されているのは伊豆辺りから鹿児島にかけての太平洋沿岸で沖合の深海底引き網漁が行われているところ。静岡県や愛知県が比較的多いようだ。

◆トモメヒカリの漁獲時期と旬

旬は不明。

　夏場は底引き網漁が行われていないところが多い。

旬のカレンダー	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
トモメヒカリ

●トモメヒカリの調理のポイントや食べ方と料理

◆トモメヒカリの調理のポイント

　トモメヒカリは白身の魚で、マルアオメエソに似たやや脂を含んだ肉質だが、マルアオメエソほど脂は多くない。

　身離れは良い方で、小骨も気にならず、煮ても焼いても美味しい。

◆トモメヒカリの塩焼き

　トモメヒカリを腹開きにして塩を振り、しばらく馴染ませて余分な水分をふき取ってからグリルで焼き上げている。

　身は甘味があり結構美味しい。

◆トモメヒカリの食べ方

　煮付けにしてもほろっと身がほぐれ美味しく食べられる。味付けは薄めの方が良さそうだ。

　また、大きいものは三枚におろしてフライや唐揚げにしてもいい。

●トモメヒカリの写真一覧

各画像をクリックしていただければ拡大画像がご覧いただけます。

撮影機材：　CANON EOS R5 , RF28-70mm F2 L USM , RF100mm F2.8 L MACRO IS USM , SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO

ロゴなし元画像サイズ：約4500万画素　8192X5464pix 72dpi RAWデータあり

＜ 出　典 ＞

　※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著　東海大出版部 p.98

　※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編　東海大出版会 p.429

　※Chlorophthalmus acutifrons　FishBase