イシガレイ/石鰈/いしがれい:生態や特徴と産地や旬
●イシガレイの生態や特徴
◆イシガレイとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > カレイ目 > カレイ科 > カレイ亜科 > イシガレイ属(日本海洋データセンターより)
学名:Kareius bicoloratus (Basilewsky, 1855)
和名:いしがれい/石鰈
英名:Japanese Stone Flounder
別名:イシモチと呼ぶところもあるようだ
イシガレイはカレイ科の中でもほぼ全国で獲れる為、一般的によく知られるカレイで、惣菜魚として親しまれている。
名前の由来は、有眼側の体側に石のように固い骨質の板があることから石鰈(イシガレイ)と呼ばれるようになったとされる。
食の部分に関しての評価は、「マコガレイ」や「メイタガレイ」に引けをとるが、鮮度が良いものは中々どうしてかなり美味しい魚だ。
◆イシガレイの生態
イシガレイは北海道から、九州西岸に及ぶ日本海沿岸と大分県辺りまでにかけての太平洋沿岸、さらに瀬戸内海と、鹿児島県辺りから沖縄周辺を除くほぼ日本全国の沿岸に分布する。日本以外ではサハリンから千島列島、朝鮮半島、中国北部沿岸辺りまで分布している。
主に水深70m以浅の砂泥底で小さな甲殻類や多毛類、小魚などを捕食して生息している。イシガレイはカメレオンのように周囲と同化する擬態の能力が優れていることでも知られている。
産卵期は産卵期は冬から春にかけてとされ、寿命は10年前後とみられる。
◆イシガレイの特徴
イシガレイは20~30cm程のものが多く漁獲されているが、大きいものでは60cm前後にもなるやや大型のカレイ。
表も裏側もウロコはなく、目が付いている表側の体側には背や側線に沿ってと腹側など部分的に骨質状の固い板があるのが特徴で名前の由来にもなっている。特に背の部分のものは縦にいくつか連なり顕著で、側線に沿ったものは丸く小さい物が並んでいる。ただ、その他の場所に現れる骨質状の板の発生個所は個体によって様々。
また、有眼側の体側には小さな丸く白い斑点があり、特に縁側に沿ってほぼ等間隔で並ぶものが目立つ。
●イシガレイの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
イシガレイは主に底引き網や定置網、刺し網などで漁獲されいる。全国の漁獲量に関する資料は見当たらなかったので数量は分からないが、ほぼ全国で漁獲されている。
近年は流通が発達したことから、刺身の美味しさが知られるようになり、活け魚や活〆物で出荷することで高級魚として扱われるようになった。
◆イシガレイの漁獲時期と旬
イシガレイも夏に美味しいカレイの一つで、刺身で食べるなら夏から秋口辺りまでが旬だが、この時期は底引き網漁ではなく刺し網などによるもので漁獲が少ない。
一方、産卵期は冬から春なので、晩秋あたりから冬にかけて底引き網で大量に漁獲されたものは子持ちの煮付け魚として親しまれてきたことを考えるとこの時期も旬と言える。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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イシガレイ(生食) | ||||||||||||
イシガレイ(子持ち) |