アサバガレイ/浅羽鰈:生態や特徴と産地や旬
●アサバガレイ/浅羽鰈の生態や特徴
◆アサバガレイとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > カレイ目 > カレイ科 > カレイ亜科 > シュムシュガレイ属(日本海洋データセンターより)
学名:Lepidopsetta mochigarei Snyder, 1911
和名:あさばがれい/浅羽鰈、浅場鰈
英名:Dusky sole
アサバガレイはカレイ科シュムシュガレイ属の一種で、食用魚の中でも安い総菜魚として比較的ポピュラーな魚だ。同属でアラスカなどで漁獲され冷凍輸入されているシュムシュガレイも市場ではアサバガレイとして扱われ、煮付け用などとしてスーパーに並んでいる。シュムシュガレイという名称は千島列島の北端にあるシュムシュ(占守)島に由来すると思われる。アサバガレイの学名につく”mochigarei”は命名された1911年当時の日本での名称「モチガレイ」とされ、餅のようなカレイというのが由来とされていたようだ。しかし、その後の1935年に出された「日本産魚類図説」では「アサバガレイ」とされ、それ以降日本では「モチガレイ」という名称は使われていない。
◆アサバガレイの生態
アサバガレイは福井県辺りから北の日本海沿岸、宮城県辺りから北の北西太平洋沿岸、オホーツク海辺りに分布し、水深50~100m程の砂泥底で小さな甲殻類や多毛類などの底生動物を捕食し生息している。
産卵期は12~2月にかけての冬。成長は遅く、25cm程になるのに5年ほどかかるようだ。
◆アサバガレイの特徴
アサバガレイは成長しても全長40cm程のカレイで、体長に対し体高が高く(背ビレと臀(しり)ビレの間が広く)、頭部、口は小さい。
体色は有眼側は茶色でエンガワあたりに色の薄い小さな斑点が見られる。裏の無眼側は半透明の白。背ビレ、臀(しり)ビレ、尾びれには暗褐色の斑紋がある。
主側線はエラの後ろから胸ビレの上で大きく湾曲し、そこから尾にかけては直線。また、エラの上部から伸び、縁側辺りで前方と後方に分岐する副側線があり、この特徴によってシュムシュガレイと共に属を成している。この側線は無眼側にも同じように付いている。
◆適した料理
アサバガレイは通常底曳網で漁獲されることが多く、刺身で食べられるものは少ない。また、味的にもクセや臭みの無い白身だが、味に深みもあまりないので一般的には煮付けやから揚げに向いている。
アサバガレイとして売られている切り身のものは冷凍輸入されたシュムシュガレイであることが多く、これも煮付けに向く。
●アサバガレイ/浅羽鰈の主な産地と旬
◆主な産地
主な産地は北海道で、千島列島などで操業される遠洋底曳網によって漁獲されている。
◆アサバガレイの漁獲時期と旬
主な産地となっている北海道の道東海域では11~3月、日本海側では9~11月が漁期となっている。
美味しい旬の時期は産卵の前、秋から冬にかけて。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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アサバガレイ |