ヒレグロメヌケ:生態や特徴と産地や旬
●ヒレグロメヌケの生態や特徴
◆ヒレグロメヌケとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > カサゴ目 > カサゴ亜目 > メバル科 > メバル亜科 > メバル属(日本海洋データセンターより)
学名:Sebastes borealis Barsukov, 1970
和名:ヒレグロメヌケ/鰭黒目抜
英名:Shortraker rockfish
別名:メヌケ
ヒレグロメヌメはメバル科メバル属の一種の中でも大型になる種で、深海に多いため水揚げされる際に急激な水圧の変化で目が飛び出した状態になることが多く、近縁種で同じ状態になるオオサガやサンコウメヌケなどと共にメヌケ(目抜)と呼ばれている。
ヒレグロメヌケは他のメヌケ類同様、脂がのった上質の白身魚で、大型になることと採れる数も少なく、食味の良さから超高級魚として扱われている。
和名は背ビレ、臀ビレ、腹ビレの縁辺が黒いことに因み、学名は、属名の”Sebastes”がギリシャ語で「尊敬すべき」を意味する"sebastos"に、行為者を意味する接尾辞”-tes”が付けられた言葉で、種小名”borealis”は「北の」を意味するラテン語に因む。
◆ヒレグロメヌケの生態
ヒレグロメヌケは岩手県以北からアラスカにかけての北の海に分布し、水深1200m以浅、100~600mに多く生息する。
「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は北海道オホーツク海沿岸、北海道〜岩手県の太平洋沿岸とされ、海外においてはオホーツク海、千島列島、カムチャツカ半島南東岸〜ベーリング海・アリューシャン列島、アラスカ湾〜カリフォルニア州南部に分布する。
◆ヒレグロメヌケの特徴
ヒレグロメヌケは「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると標準体長68cmほどとなっているが、日本大百科全書(ニッポニカ)には『赤色のメヌケ類中最大で、体長は120センチメートルになる。』と書かれている。とにかくメバル類の中では最大級の魚である。(写真は全長50cmほど約2kg)
体色は全体に赤く、この赤い色はカロチノイド系の色素で、調理後も綺麗な色が残りやすい。
和名の通り、背ビレ、臀ビレ、腹ビレの縁辺が黒いのが特徴で、他のメヌケ類と判別しやすい。体側は少し斑が見られるが顕著な黒斑は見られず、頭部背面にも暗色横帯はないのでバラメヌケとも見分けられる。
下顎は著しく突出せず、尾ビレ後縁は二叉し、上下ともに後方に向けわずかに丸くなっている。背ビレは13棘12~15軟条からなり、臀ビレは3棘6~8軟条。
●ヒレグロメヌケの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
ヒレグロメヌケの漁獲量は個別の漁獲量はデータが見当たらず不明だが極わずかである。岩手県以北で漁獲されるが主な産地はオホーツク海で北海道の網走や羅臼などに多く水揚げされている。
◆ヒレグロメヌケの漁獲時期と旬
撮影試食したのは4月10日に仕入れたものだが、他の時期のものを食べ比べたことがないため明言はできないが、ヒレグロメヌケは初夏に仔魚を産むと思われるため、身に、より脂がのって美味しくなるのは秋から春先にかけてではないだろうか。ただ、この4月に食べたものはとても美味しい状態だったのだが、ベストな時期とそうでない時期の差がどれくらいあるのか試してみたいものだ。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ヒレグロメヌケ |
●メバル属の魚
< 出 典 >
※ 「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部
※ 「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会
※ 「食材魚貝大百科」平凡社
※ FishBase Sebastes borealis Barsukov 1970