オキザヨリ:生態や特徴と産地や旬

オキザヨリ - Tylosurus crocodilus -

●オキザヨリの生態や特徴

◆オキザヨリとは

分類:魚類 > 条鰭綱 > ダツ目 > ダツ科 > テンジクダツ属 > Tylosurus crocodilus(BISMaLより)

学名:Tylosurus crocodilus crocodilus (Péron & Lesueur, 1821)

和名:おきざより/沖細魚

英名:Houndfish、Hound needlefish /仏名:Aiguille crocodile

別名:ダツ(ダツと区別せず)

 オキザヨリはダツ科テンジクダツ属の一種で、ダツ同様、細長く大型の魚だ。各地の沿岸で定置網などで漁獲されるが、そのほとんどが産地で消費され、市場に流通することはあまりなく、一般の消費者がこの魚の姿を目にする機会はほとんどないと思う。流通する価格も安いが、食味の面ではなかなかに美味しい魚である。

 サヨリと体形は似て沖ザヨリと呼ばれてはいるが、そのサイズはせいぜい30cmほどの細魚に比べオキザヨリは1mを超える大型種で、しかも細長い上下のアゴには鋭い歯が並びワニのようである。

 学名の属名部”Tylosurus”はギリシャ語で「膨らみ」を意味する”Tylos”に「尾」を意味する”oura”からなり、種小名及び亜種小名”crocodilus crocodilus”はギリシャ語で「鰐(わに)」を意味するクロコダイルに因む。

 英語では”Houndfish”または”Hound needlefish”と呼ばれるが”Hound”とは猟犬を意味する。

オキザヨリ - Tylosurus crocodilus -

◆オキザヨリの生態

 オキザヨリは暖海性の魚で、熱帯から温帯にかけての海域に広く生息し、沿岸の表層を単独または群れを成して遊泳しながら小魚などを捕食する。

 「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は、津軽海峡〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、津軽海峡〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、琉球列島とされ、海外においても朝鮮半島南岸・東岸、台湾、東太平洋を除く世界中の熱帯〜温帯域とかなり広く分布している。

◆オキザヨリの特徴

 オキザヨリは全長1.3mを超え、ダツ目の最大種である。撮影したものは94cmほどであった。

オキザヨリ - Tylosurus crocodilus -

 体形はダツ科特有の細長い体に細く長く尖った吻をもち、上下のアゴには青白く鋭い歯が並ぶ。

 テンジクダツ属共通の特徴として尾柄部側面に隆起線があり、尾ビレは上葉より下葉が長い。

 体色は背が青魚らしい濃紺色で側面は銀白色、腹は白い。また、本種の特徴としてエラ蓋骨前部に暗青色の横帯(背側から下に向けて)がある。

 一見、サンマのように側扁した魚のように見えるが、オキザヨリは断面が比較的丸く三枚におろした身も肉厚である。

オキザヨリ - Tylosurus crocodilus -

 他にも、オキザヨリの大きな特徴といえるのは、中骨や血合い骨がエメラルドグリーンであること。

●オキザヨリの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

 オキザヨリは北海道を除く各地の沿岸で定置網や刺し網で漁獲されています。本来暖かい海域の魚なので、大型に成長した成魚は西に峰鵜の太平洋側で多く漁獲されています。

 漁獲量はそう多くはなく、産地以外で見かける機会はほとんどない。

◆オキザヨリの漁獲時期と旬

 オキザヨリは通年不定期に漁獲されている。旬は不明。

 大型のものは家庭ではさばきにくいですが、価格が安く歩留まりもいい魚なので見かけたら是非買って食べてみていただきたい。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
オキザヨリ                        

< 出 典 >

 ※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部 p.139 

 ※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会 p.666

 ※「旬の食材- 夏の食材」 -講談社 p.35

 ※Tylosurus crocodilus (Péron & Lesueur, 1821) FishBase

 当サイトの画像一覧ページにある画像に関しまして、透かしロゴなしの元サイズ画像をご利用になりたい場合はダウンロードサイトからご購入頂けます。そちらに無いものでも各画像一覧からご希望の画像をクリックした際に表示される拡大画像のURLをお問い合わせフォームからお知らせ頂ければアップロードいたします。また、点数が多い場合は別途ご相談にも対応いたします。企業様の場合は請求書・振込払いも可能です。