ヒラツメガニ:生態や特徴と産地や旬

ヒラツメガニ

●ヒラツメガニの生態や特徴

◆ヒラツメガニとは

分類:ホンエビ上目 > 十脚目 > 抱卵亜目 > 短尾下目 > ガザミ/ワタリガニ上科 > ガザミ/ワタリガニ科 > Polybiinae > ヒラツメガニ属(BISMaLより)

学名:Ovalipes punctatus (de Haan, 1833)

和名:ひらつめがに(平爪蟹)

英名:Sand crab

別名:ヘラガニ(北海道)、ヒラガニ(青森県)、エッチガニ(各地)、マルガニ、キンチャクガニ

 ヒラツメガニはガザミ/ワタリガニ科に分類される小さなカニで東日本辺りでは食用にもされている。

 珍しいカニではないが、大量に獲れるわけではないため、産地以外での知名度は低く、一般的に馴染みは薄い。

◆ヒラツメガニの特徴

 ヒラツメガニは甲幅8~10cm程度で、甲面は比較的平らで真ん中にH状の溝があるのが特徴で、これが”エッチガニ”と呼ばれるゆえんである。

 ガザミ/ワタリガニ科に分類されている通り、最後方の両脚は先がへら状になっている。

ヒラツメガニ

◆ヒラツメガニの生態

 ヒラツメガニは水深10~350mの砂、砂泥、貝殻底に生息している。夜行性で、小魚やエビ等を捕食する他、魚介の死肉も食べる。

 へら状の後ろ脚を使って砂に潜ったり、水中を泳いだりする。

 成長と共に脱皮を繰り返し、寿命はおよそ1 年から1 年半とされ、産卵期は 10月から翌年5月にかけて。

 「原色日本大型甲殻類図鑑」によると日本近海での分布は北海道忍路湾・函館から九州にかけての日本海沿岸および太平洋沿岸・瀬戸内海沿岸、沖縄・八重山列島に分布する。また、海外においては、朝鮮海峡、黄海、中国、アフリカ東南岸、オーストラリア、ニュージーランド、南アメリカ沿岸に広く分布する。

●ヒラツメガニの主な産地と旬

◆主な産地と漁獲量

 ヒラツメガニは日本の沿岸各地で、主に刺し網や底引き網、カニかご漁などでも漁獲される。

 底引き網などではまとまって漁獲されるが、全体量としては少なく、主に産地の市場で取引され、都市部のスーパーなどに並ぶことは少ない。

◆ヒラツメガニの漁獲時期と旬

 ヒラツメガニを目的とした漁が行われているわけではなく、他のカニなどに混じって混獲されるにすぎず、決まった漁期はない。各地の底引き網やカニかご漁の時期に水揚げされる。

 旬は不明。ただ、雌の内子を求めるのであれば、11月頃から3月頃までが旬ではないだろうか。「食材魚貝大百科」では秋から冬にかけて漁獲されるとあるが、講談社の「旬の食材」では春の魚として扱われている。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ヒラツメガニ                        

< 出 典 >

 ※「原色日本大型甲殻類図鑑(Ⅰ)」三宅貞祥著 保育社 p.79

 ※「食材魚貝大百科」p.49 平凡社

 ※「旬の食材- 夏の食材」 p.90-講談社

 ※「シリーズ:エビ・カニ 第5回 ヒラツメガニ」おさかな瓦版No.18 2018年1月発行 国立研究開発法人 水産研究・教育機構

 ※Ovalipes punctatus (De Haan, 1833)  Sand crab sealifebase

●ヒラツメガニの目利きと調理のポイント

 ヒラツメガニは小さなカニなので食べられる身は少ないが、味はとても美味しい。また価格も手頃なので、見かけたら是非買って食べて欲しい。

◆目利き

 基本的には信頼できる魚屋で買う事。ヒラツメガニは活け物がほとんどなく、通常は死んだ状態で市場に並ぶ。それゆえ鮮度がわかりにくい。

 なるべく大きな個体で、手に持った時に重く感じるものを選ぶ。また、匂いを確認し、臭みが出ていないかチェックする。

ヒラツメガニ

◆買ったその日に調理する

 ヒラツメガニは通常死んでいる物が多い。カニ類は死後自己消化酵素が働き始めるため、買ってきたら少しでも早く火入れをしなければならない。

●ヒラツメガニの美味しい食べ方と料理

◆ヒラツメガニの調理のポイント

 ヒラツメガニはサイズが小さい上に脚も小さく、身らしい身はほとんどない。だが、味噌はしっかりカニらしいコクと旨味があり、身を食べるというよりもこのミソと殻を含めた全体から出る風味豊かな出汁を活かすような食べ方がお勧め。

◆ヒラツメガニやヘリキホウボウの香草トマト煮

 一般的には未利用魚であるヘリキホウボウと共に、香草を効かせ、トマト煮にしてみました。

ヒラツメガニ

 カニと魚からとてもいい出汁が出ていて濃厚な旨味が楽しめます。ただ、身はセセルほども無く、ミソもスープに溶け出しているので、ほぼ出汁ガラ状態になります。

 このスープを裏ごしして、パスタソースに仕上げ、野菜と焼くなり揚げるなりした白身魚などをトッピングすればそれはもうメインのご馳走です。

◆ヒラツメガニの味噌汁

 ヒラツメガニを真ん中で半分に切り、沸騰させた出汁に加えて火を通し、味噌を解くだけで濃厚なカニの味噌汁ができます。

 味噌の部分をすする感じで食べますが、味噌汁自体も香ばしくとても美味しいですよ。

●ヒラツメガニの写真一覧

 撮影試食したヒラツメガニは。特徴が分かりやすいよう外観をはじめ調理例などいろいろな角度で撮影し、様々な媒体で写真素材として使いやすいホワイトバックにしています。

 各画像をクリックしていただければ拡大画像がご覧いただけます。ご要望があれば有料ですがロゴなしの元サイズデータを各種メディアや資料、パンフレットなどにお使いいただけます。

 撮影機材: CANON EOS R5 , RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

 ロゴなし元画像サイズ:約4500万画素 8192X5464pix 72dpi RAWデータあり

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