カケハシハタ:生態や特徴と産地や旬
●カケハシハタの生態や特徴
◆カケハシハタとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > スズキ目 > スズキ亜目 > ハタ科 > ハタ亜科 > ハタ族 > マハタ属(日本海洋データセンターより)
学名:Epinephelus radiatus (Day, 1868)
和名:かけはしはた/梯羽太/架橋羽太
英名:Oblique-banded grouper、Comet grouper
別名:タケアラ ※「食材魚貝大百科(平凡社)」
「カケハシハタ」はハタ科マハタ属の一種で、マハタのような大型にはならない中型種。
他のハタ類の中でも漁獲数が少なく、欲しい時にいつでも手に入る魚ではない。食味は非常によく、高級魚として扱われるが、大型で状態が良い物はそうそう出会えないこともあり、ハタ類の中でもより高価な魚となる。
学名の属名”Epinephelus”は『曇った』という意味のギリシャ語に因み、種名”radiatus”は『放射状の』『輝いている』を意味するラテン語に因む。
◆カケハシハタの生態
「カケハシハタ」は沿岸の岩礁、水深17~383mで小魚や甲殻類などを捕食し生息している。
「日本産魚類検索全種の同定第三版」によると日本近海での分布は長崎県、相模湾、駿河湾、和歌山県田辺・串本、土佐湾、愛媛県深浦とされており、海外では台湾南部、インドー西太平洋(局所的:紅海を含む)とされています。
◆カケハシハタの特徴
「カケハシハタ」は標準体長56cmほどになる中型のハタで、体形はマハタ属らしく、胸ビレ、腹びれの基部辺りの体高がピークとなる長楕円系で、頭部及び各ヒレが体全体の大きさに対して大きいのが特徴。
今回撮影した個体は鹿児島県産で全長48cm1.8kgでした。背ビレは11棘13~15軟条からなり、尻ビレは3棘8軟条からなる。棘条は非常に太くて強い。尾ビレ後端は丸い。
「カケハシハタ」の体色は背から腹にかけて茶褐色から淡黄褐色のグラデーションがかかった地色に、黒縁のある虫食い状の幅広い淡色帯が背から斜め前方に向けてと、頭部からは斜め後方に向けて付いているのが特徴。この帯状班は老成してくるにつれ黒い縁取りが点列状に残るのみとなっていく。
おそらくはこの『黒縁のある虫食い状の幅広い淡色帯』を「梯」または「架橋」に見立てて命名されたのだと思う。
●カケハシハタの主な産地と旬
◆主な産地と漁獲量
「カケハシハタ」は関東以南の太平洋沿岸に分布する暖海性の魚で、出現する海域も限られているようだ。
主な産地は鹿児島県をはじめ高知県や伊豆諸島などだが、漁獲量は非常に少ない。
◆カケハシハタの漁獲時期と旬
「カケハシハタ」は少ないながらも通年漁獲はあるようだ。美味しい旬の時期は一般的にはマハタと同じように秋から冬にかけてと思われるが、産卵前後を除けばあまり気にすることは無いと思う。出会える機会はそうそうないので、出会えたらその魚の状態を見て悪くなければ買う事をお勧めする。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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カケハシハタ |
●ハタ科の魚
< 出 典 >
※「日本産魚類全種の学名」中坊徹次・平嶋義宏著 東海大出版部
※「日本産魚類検索全種の同定第三版」中坊徹次編 東海大出版会
※「食材魚貝大百科」平凡社
※ Epinephelus radiatus FishBase