ウミヒゴイ:目利きと料理
ウミヒゴイ属の一種、ウミヒゴイを選ぶ際のポイント、目利きや見分け方、さばき方をはじめ、美味しい食べ方と調理方法、主な料理、料理レシピなどを沢山の写真と共に紹介します。
●ウミヒゴイの目利きとさばき方
◆買うときのチェックポイント
同じ魚を買うにしても鮮度や質が良いものを買いたいですね。失敗しない一番の近道は信頼できる魚屋さんを見つけ、お得意さんになること。とはいっても、普通の家庭ではなかなかハードルが高いかもしれません。そこで、素人でもチェックできるポイントをいくつか紹介しておきます。
ウミヒゴイは大きなもので50cmほどです。なるべく大きく、全体に体高があってふっくらとして見えるものがいいです。そして、活〆や神経締めされているものが最高ですが、そうでないなら触った時にしっかりとした弾力のある硬さが感じられるもの、せめて死後硬直が終わるまでのものものにしたいところです。
次に、魚の眼がドーム状にふくらみがあり、澄んでいて黒目がくっきりとしているものが新鮮です。眼が乾いて窪んでいたり白濁しているものは鮮度が落ちてきています。
そして、エラブタを開けてみて中のエラの色をチェックします。鮮やかな赤い色をしていて、鰓耙(さいは)の白とのコントラストがはっきりとしているものが新鮮。澱んでいたり茶色っぽくなっているものは鮮度が落ちています。
◆三枚におろす様子(動画)
ウミヒゴイの近縁種で同じ形をしているコバンヒメジを使って、ウロコを落とし、頭と内臓を取り除いて三枚におろす様子をYouTubeの動画にまとめています。
写真と解説で見たいならこちらのさばき方のページをご覧ください。
ウロコは大きいですが薄くて柔らかく、簡単に剥がれます。
◆調理のポイント
ウミヒゴイはやや透明感のある白身で、クセや臭みはありません。皮はややしっかりとしていますが色合いが綺麗で料理映えします。
アラは上品でとてもいい出汁がとれます。
●ウミヒゴイの美味しい食べ方と料理
◆ウミヒゴイの刺身 焼き切り
ウミヒゴイは皮の色味が奇麗なので引かずに皮をバーナーで炙り、すぐに急速冷凍に入れて短時間で冷ましてから切っています。
身はしっかりとした歯ごたえがあり、ほんのりと甘みもあって皮の香ばしさが良いアクセントになります。
◆ウミヒゴイのポワレ
三枚におろして切り身にしたウミヒゴイに塩胡椒を振り、皮目をカリッとなるまでニンニクとローズマリーを効かせながらオリーブ油で焼き上げたもの。
焼いても身は硬く締まらず食感がいい。皮の色も良い感じに焼きあがった。今回はフキを付け合わせにしてみたが、予想以上に相性はよかった。
◆ウミヒゴイのムニエル
三枚におろして切り身にしたウミヒゴイに塩胡椒を振り、馴染ませてから余分な水分をふき取る。それに小麦粉をまぶしてバターで両面焼き上げたもの。
フェンネルのレモンバターソースと合わせてみたがこれも良し。ムニエルの方がポワレよりもしっとりとした食感に仕上がる。
◆ウミヒゴイの中華風酒蒸し
切り身に塩をしっかりと振り、しばらく置いてから染み出してきた水分をふき取る。鍋に酒を注ぎ、生姜とネギ、ハニーライム、シイタケを加え、沸騰してきたら切り身を入れ、蓋をして蒸し上げる。
火が通ったら切り身を取り出し皿にもり、刻みネギをたっぷりとのせる。煮汁にオイスターソースを加えて煮詰めながら味を整え切り身の上から回しかけ、更にその上に熱したごま油をジュワっとかける。
ウミヒゴイは蒸しても美味しい。プリッとしていながら程よい繊維感もある。
◆ウミヒゴイのアラ汁
アラはしっかりと塩を振り、しばらく置いて余分な水分が染み出して来たら熱湯を回しかけ、流水でぬめりなどを洗い流してから鍋に入れ、昆布出汁を張り火にかける。沸騰してきたらアクを引きながら20分ほど煮出す。
塩または醤油で味を整える。
身が付いている部分を器に盛り、汁を注ぎ、刻みネギを散らす。
◆その他の料理
ウミヒゴイはクセや臭みのない典型的な白身の魚なのでフライをはじめ天ぷらや唐揚げなどの揚げ物も美味しく食べられます。
また、一般的な酒、醤油、みりん、砂糖の煮付けや、マース煮など塩煮でも美味しいです。
◆他のヒメジ類を使った料理ページも参考にしてみよう
本サイト内の他のヒメジ類のレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
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