ウマヅラハギ/馬面剥/うまづらはぎ:生態や特徴と産地や旬

ウマヅラハギ/馬面剥/うまづらはぎ/ハゲ

●ウマヅラハギ(馬面剥)の生態や特徴

◆ウマヅラハギ(馬面剥)とは

分類:魚類 > 条鰭綱 > フグ目 > カワハギ科 - ウマヅラハギ属(日本海洋データセンターより)

学名:Thamnaconus modestus(Günther, 1877)

和名:うまづらはぎ/馬面剥

英名:Black scraper、Filefish

別名:ハゲ、ナガハゲ(関西、近畿)、メンボ(下関、福岡)、カングリ(秋田県)、コウグリ(新潟、丹後)、ウマギマ(三河)など

ウマヅラハギ/馬面剥/うまづらはぎ/ハゲ

 ウマヅラハギはカワハギの仲間で、カワハギ、ウスバハギと共に数少ない食用となる魚である。

 ウロコが無いかわりに皮が非常に堅くザラザラしており、皮を剥でから料理するところからカワハギの名が付けられ、このウマヅラハギはその名前の通り、馬の顔に似ているカワハギということから馬面ハギと呼ばれるようになった。

 きわめて淡白な白身の魚で、その刺身はフグにもたとえられる食感と上品な味で、肝が美味しいことでも知られている。

 比較的ポピュラーな大衆魚だが、活け物や活〆された質の良いものは刺し身用の高級魚として扱われている。どちらかと言えば関東より、関西や中国地方で人気がある魚だ。

 関西では「ハゲ」と呼ぶことも多く、カワハギを「マルハゲ」、このウマヅラハギは「ナガハゲ」と呼び区別することもある。

◆ウマヅラハギ(馬面剥)の生態

ウマヅラハギ/馬面剥/うまづらはぎ/ハゲ

 ウマヅラハギは北海道から九州にかけての日本海、太平洋、瀬戸内海などの沿岸から、黄海、東シナ海にかけての朝鮮半島から中国沿岸まで分布し、日本では全国の沿岸で漁獲されている身近な魚である。

 カワハギよりやや沖合で水深10m前後に多く、10cm前後の若いうちは群れを成して回遊するが、成魚になると単独でいることが多いようだ。食材は雑食で、海藻類から甲殻類、多毛類などの底生生物、それにクラゲなども好んで食べる。

 成魚は5月頃から7月頃にかけて沿岸部に集まり産卵し、11月頃には深場へ潜っていくとみられている。

◆ウマヅラハギ(馬面剥)の特徴

ウマヅラハギ/馬面剥/うまづらはぎ/ハゲ

 ウマヅラハギは体長30cm程になり、体は強く側扁しているがカワハギに比べ口から尾まで縦に長い形をしている。

 体色は全体に灰色で体側に不規則な明暗があるがこれは個体によって様々。各ヒレは特徴的な緑青色で、頭部には背ビレの第一棘条が変化した棘が一本伸びている。

 カワハギと同じように口は小さなおちょぼ口で、強靭な歯がのぞいている。

●ウマヅラハギ(馬面剥)の主な産地と旬

◆主な産地

 ウマヅラハギは主に底引き網や定置網、刺し網の他、籠網漁などで漁獲されており、頭部や内臓が取り除かれ、皮を剥いた状態で出荷されることも多く、こういったものは安い総菜魚としてスーパーなどにも並んでいる。

 主な産地は日本海側に多く、石川県や富山県、福岡県など。

◆ウマヅラハギ(馬面剥)の漁獲時期と旬

 ウマヅラハギは産地を替え通年水揚げされている。

 1年を通して味の大きな差は感じられず、産地により旬に関しては諸説あり一概には言えない。福岡県では産卵に向けて肝が膨らみ真子を持つ5月~6月を旬としているが、これはこの時期に産卵のため比較的沿岸の浅いところに集まり漁獲量が増えるからだと考えられが、この時期は真子に栄養が行くため、身自体はやや痩せてしまう。

 身が美味しいのは夏の終わりから秋にかけてで、晩秋から春にかけては肝が大きくなり、この寒い時期を旬とする考え方もある。

 刺し身で食べるなら身が回復し、適度に肝も膨らんだ秋、鍋など加熱調理するなら寒い時期が最も美味しい旬と言えそうだ。

旬のカレンダー
旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
産卵期                        
ウマヅラカワハギ                        

●カワハギの主な種類



 
 

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