ウルメイワシ/潤目鰯鰯/うるめいわし:生態や特徴と、産地と旬
●ウルメイワシの生態や特徴
◆ウルメイワシとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > ニシン目 > Dussumieriidae(ウルメイワシ亜科) > ウルメイワシ属
学名:Etrumeus teres (De Key, 1842)
英語:round herring
ウルメイワシはニシン目で、ニシン科とする説とウルメイワシ亜科(Dussumieriidae)とする説があります。
◆ウルメイワシの生態
世界中の熱帯から温帯域にかけての海に分布する回遊魚で、日本でも各地の沿岸で漁獲されています。泳ぎながらプランクトンを食べ、約1年程で成魚となり、寿命は2年程とみられます。
産卵期は海域や個体によっても幅があるようで、秋頃から冬を経て春から初夏辺りにかけてで、中でも春頃から初夏にかけて最盛期となるようです。
◆最も脂が少ないイワシ
目が大きく、うるんで見える事からウルメイワシと名付けられていますが、その目の大きさゆえか、古くから目刺しにした干物、いわゆるメザシに加工され食べられてきました。
ウルメイワシは干物にされる事が多いのですが、それは鮮度落ちが極めて早く、鮮魚での流通に適していなかったからということと、もう一つはイワシ三種の中ではとりわけ脂が少なく淡白な身質であるためです。マイワシに比べると脂質の量は半分程しかありません。
◆ウルメイワシの地方名
新潟県辺りでは「ダルマイワシ」、富山県辺りでは「ドンボ」、京都府の丹後では「ドウキン」、特に大きなものは「オオド」などとも呼ばれてきたそうです。
◆ウルメイワシの特徴
ウルメイワシはマイワシヤカタクチイワシなどの中では最も大きくなるイワシで、成魚は全長30cm程になります。
紡錘形の体に、体の割に発達した脂瞼(しけん)に覆われた大きな目が付いており目が潤んでいるように見えるというのが潤目という名の由来です。
マイワシやカタクチイワシとの大きな違いは腹ビレの位置で、背ビレよりもずっと後ろに付いています。体側は青背で腹側は銀白色に光っています。
●ウルメイワシの主な産地と旬
◆ウルメイワシ(潤目鰯鰯/うるめいわし)の主な産地
ウルメイワシはイワシ三種の中では最も獲れる量は少なく、鮮魚で出回る数も限られています。上のデータは政府がまとめた2015年産の全国のウルメイワシの漁獲量です。
ウルメイワシは暖流に面した沿岸で多く獲れます。また、春から夏にかけて北上し、秋から冬には南下するというカツオのような回遊をするイワシとして知られています。
2015年で見ると、長崎、宮崎、三重と続き暖かい地方や暖流沿いの地方である事が分かりますね。
◆ウルメイワシの漁獲時期と旬
ウルメイワシは通年漁獲されていますが、美味しい旬は脂がのる冬から春先と言われています。夏から秋にかけては脂が落ち、干物に適した身質となります。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ウルメイワシ |