アワビ/鮑/あわび:目利きと料理

クロアワビ/黒鮑/くろあわび

 アワビ/鮑/あわびの選び方、目利きや美味しい食べ方と調理方法、主な料理、料理レシピなどを沢山の写真と共に紹介します。

●アワビの目利きのポイント

◆活きが良いもの

活きのいいアメリカ産養殖エゾアワビ

 アワビは何よりも生きていることが前提。そして、元気に動き回る物が良いです。脚を触った時に反応が鈍いものはやめておきましょう。

◆持った時に重いもの

エゾアワビ/蝦夷鮑/えぞあわび

 身の部分が肉厚な物がいいので、手に持った時に重く感じる物を選びます。また、脚の部分を見て、ふっくらとしているものが良いです。

◆クロアワビやマダカアワビ、メガイアワビの見分け

 クロアワビは足の色が黒っぽいものが多く、メガイアワビやマダカはクリーム色のものが多いです。

 また、クロアワビの殻がやや細長い卵型なのに対し、メガイアワビはふっくらと丸みがある幅広の卵型で、マダカアワビはさらに丸く、出水口が際立って高く盛り上がっています。

 どのアワビを選ぶかは料理によって決めるといいでしょう。コリッコリの食感を刺身でというのであればクロアワビやエゾアワビ、煮アワビや蒸しアワビにするなら身が柔らかいメガイアワビがお勧めです。

◆アワビの中腸線と毒性

 「春先に猫がアワビの肝を食べると猫の耳が落ちる」という古い言い伝えが東北地方にはあるそうです。これは春先、2~5月頃のアワビの中腸線に餌となる海藻のクロロフィルに由来する毒素が溜ることがあり、これを大量に食べると極まれに光過敏症という中毒を起こすことがあり、古くら産地ではこの時期のアワビの肝は食べるなという警鐘として語り継がれてきたもののようです。

 そのことから、この時期、2~5月にアワビを食べる機会があれば注意した方がよさそうです。

 有毒な中腸腺は黒っぽい濃い緑色なのに対し、無毒な物は灰緑色か緑褐色なのでこの中腸線の色で見分けられるそうです。

●アワビの美味しい食べ方と料理

◆調理のポイント

 アワビは生食ではコリコリした歯ざわりが持ち味で、甘みや旨みは加熱調理した方が強く感じられる気がします。

 先の見分け方のところでも紹介したように、用途や料理によってアワビの種類を使い分ける、もしくはアワビによって適した料理に用いるのがベストです。とはいっても超高級食材であり普通はそうそう買ってきて食べることも無いと思われるのであくまでも好みを優先しましょう。どのアワビであっても同じ料理に使うことはできます。

◆メガイアワビの刺身

メガイアワビの刺身

 アワビと言えばやはりコリコリとした歯触りの刺身が思い浮かびます。硬い食感が好みならクロアワビやエゾアワビ、そこまで硬くない方がいい方はメガイアワビがお勧め。

 身が柔らかいメガイアワビでも刺身は薄く切ることをお勧めします。

◆クロアワビの刺身

クロアワビの刺身/黒鮑/くろあわび

 硬い食感が好みならやっぱりクロアワビ。コリッコリの食感と磯の風味、貝らしい甘味が堪能できる。

◆エゾアワビの刺身

エゾアワビの刺身

 エゾアワビの味わいもクロアワビに近い、というか、物によっては区別すらつかない美味しさ。養殖物も多いが、稚貝放流された後は自然の中で育つので天然物と大きな違いはないのではないだろうか。

◆アメリカ産 養殖エゾアワビの刺身

アメリカ産養殖エゾアワビの刺身

 アメリカ産の養殖物を見つけたので、試しに刺身にしてみた。サイズが1個70g程の小さなものだったが、食感や風味は十分に美味しかった。

◆クロアワビの握り 肝のせ

クロアワビの握り/黒鮑/くろあわび

 握りネタにする場合は普通にスライスするとシャリに馴染みにくく滑り落ちたりしやすいので、包丁を小刻みに動かしながら切る小波切りにします。(写真はクロアワビの握り)のせている黒いものは、さっと湯引きしてスライスしたアワビの肝。

◆エゾアワビのステーキ

エゾアワビ/蝦夷鮑/えぞあわび

 アワビはバターで焼いても美味しい。殻から外し、肝やワタを取り除いて、足の裏に何筋か十字に切り込みを入れてから焼く。焼き上げたフライパンに醤油を振って香りを立て、そこに酒と裏ごしした肝を加え、仕上げにバターを溶かし込んで肝バターソースを作る。

◆蒸しあわび(黒アワビ)

クロアワビ 蒸しアワビ/黒鮑/くろあわび

 酒蒸しにすることでコリコリのアワビが柔らかくなり、甘みも増して美味しく、また蒸したものはいろんな料理に使うことができます。

◆蒸しアワビ(メガイアワビ)

蒸しあわび(メガイアワビ)

 蒸し方はいたって簡単。

 アワビをたわしなどで砂やぬめりを落としてからアワビを殻を下にして鍋に入れ、酒と水3:7から5:5で殻の高さより低いくらいに注ぎ、塩を軽く振って、蓋をして火をつけ、沸騰し始めてから7~8分蒸すだけ。箸を刺してみてスッとっ刺されば蒸しあがっています。蒸し過ぎると逆に硬くゴムのようになってしまうので注意してください。

 刺身とは全く違った食感が楽しめるので、そこそこ厚めに切っても大丈夫です。

◆蒸しアワビの刺身(エゾアワビ)

蒸しアワビの刺身(エゾアワビ)

 冷めてからも柔らかく仕上げたい場合は、蒸す前にアワビの上に足が完全に隠れるまでこんもりと大根おろしをのせ、30~1時間ほど冷蔵庫に入れておき、大根おろしを乗せたまま蒸しあげます。大根に含まれる酵素によって身が柔らかく仕上がります。

 そうして蒸したものを刺身としてわさび醤油などで食べてもとても美味しい。

◆煮あわび(メガイアワビ)

煮あわび(メガイアワビ)

 アワビの煮方には色々な方法がありますが、ポイントは7~8分という短時間で煮あげるか、じっくり2~3時間煮込むかです。中途半端に1時間煮たりすると身が縮み硬くなってしまいます。

 そして、煮上がったら煮汁に浸った状態のまま冷めるまで鍋ごとおいておき、アワビに味を染み込ませます。

◆煮あわび(アメリカ産養殖エゾアワビ)

アメリカ産養殖エゾアワビの煮付け

 輸入されている養殖物を煮付けたもの。程よい歯触りが心地よく、味わいも良かった。

◆アワビの炒め物(アメリカ産養殖エゾアワビ)

アワビの炒め物(アメリカ産養殖エゾアワビ)

 アメリカ産養殖物のアワビをガーリックバターで野菜と共にいためたもの。手ごろな価格で贅沢な気分が味わえた。

◆アワビを使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトのアワビを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

クックパッド レシピブログ 楽天レシピ

 
 

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