エゾアワビ/蝦夷鮑/えぞあわび:生態や特徴と産地や旬
●エゾアワビ(蝦夷鮑)の生態や特徴
◆エゾアワビとは
分類:軟体動物門 > 腹足綱 > 直腹足亜綱 > 古腹足上目 > Haliotoidea上科 > ミミガイ科 > Haliotis(アワビ)属 - Haliotis discus (日本海洋データセンターより)
学名:Haliotis discus hannai Ino,1952
和名:えぞあわび/蝦夷鮑
英名:Ezo-abalone
エゾアワビは東北地方以北で多く獲れるアワビでクロアワビの北方系亜種とされ、水温が高い海域で育てるとクロアワビとの見分けが困難なほど似ると言われる。
食味がクロアワビに似るが養殖も盛んで価格はクロアワビに比べ安い。とはいっても高級食材であることには間違いない。
◆エゾアワビ/蝦夷鮑の生態
もともとのエゾアワビの分布は房総半島以北の太平洋沿岸、津軽海峡から北海道、朝鮮半島にいたる海域だったようだが。生息適応力が強いのか各地に移植されその分布を広げている。
エゾアワビはクロアワビやメガイアワビよりも浅い水深10m以浅の岩礁域に多く生息し、他のアワビと同様に昆布やワカメなどの海藻類を食べる。
産卵期は8~10月で9月頃にピークを迎える。
◆エゾアワビ/蝦夷鮑の特徴
エゾアワビは本来の生息域では水温が低いことから成長が遅く、大きくても殻長10~12cm程にしかならないのだが、幼貝を水温が高い海域に移植することでクロアワビに近い15~20cmまで成長することが分かっている。
殻の形は上から見ると長楕円で、横から見ると殻高が高く、メガイアワビなどに比べ呼水口も大きい。後方にある渦巻きの螺塔も顕著。
食用部となる足や周りのひらひらした部分はクロアワビに似ているが、足の色がクロアワビと同じような黒っぽいものからクリーム色のものまで個体差が大きく、比較的明るい色のものが多い。
◆調理のポイント
エゾアワビの身質はクロアワビに近いしっかりとした固さがあるり、刺身での食感が良い。また風味も良く色々な食べ方ができる。ただ、大きなクロアワビのようなものは少なく比較的小さいものが多い。
●エゾアワビ/蝦夷鮑の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
エゾアワビはその名の通り北海道が主な産地として知られるほか、漁獲量では岩手県や宮城県が多い。
エゾアワビは各地で種苗放流が行われ漁獲量の安定化が効果を上げている。
また、エゾアワビは韓国やアメリカなど海外へも移植され養殖されている。そういった養殖物も活け物で輸入されている。
◆アメリカ産 活けエゾアワビ
アメリカ産の養殖物が入っていたので試しに仕入れて色々と試食もしてみた。一つ70g程の小さいもので小売値で300円/Kg、1個あたり200円あまりだ。
これがとにかく活きが良く台に乗せてもじっとしていない。
味的には小ぶりながら十分楽しむことができた。
◆エゾアワビ/蝦夷鮑の漁獲時期と旬
エゾアワビは養殖も行われ通年市場には出荷されている。産卵期は8~10月なので、その前の初夏辺りが美味しい気もするが、市場に沢山出回るのは11~1月の晩秋から冬にかけてで、この時期が旬とされている。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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エゾアワビ |