ズワイガニの選び方と美味しい食べ方や料理

ズワイガニ,松葉がに,越前がに,加能ガニ

■ズワイガニの目利き

●生は活けが最高

 生のズワイガニを買う場合は必ず生きているもの、それもなるべく元気なものを選ぶ。死んでいるものはいつ死んだものかも分からず、死後劣化が早いことを考えると避けるべき。

生け簀の松葉ガニ ズワイガニ

●身入りの良し悪し

 ズワイガニと言っても、身が水っぽくスカスカのものもある。それを避けるには、手で持ってみてしっかりと重みを感じるものを選ぶことと、腹と甲羅の幅が広く厚みがあるもの(胸の厚みみたいな感じ)で、抑えた時に硬いかどうかを確かめることが大事。フカフカと弾力があるものは脱皮してからの時間が浅く、身やせしている物が多い。

●国産のものは脚が長く輸入物は短め

 必ずしも国産物の方が美味しいとは限らない。ただ、日本海で獲れるものは脚が長い傾向にあり、一種の変異種として見られる場合もある。

●茹でがには信用が有る店で買う

 茹でられているカニも多いが、茹でられている物は買う側からするといつ、どんな状態の物がどんな方法で茹でられているのか分からない。それをいいことに、死んでしまったものや、活けで長くおいておかれたため身痩せしてしまっているものなどを茹でて販売しているような店もあると聞く。買う場合は信頼できるところから買おう。

●カニビルの卵が付いていないものは注意

 ズワイガニの甲羅に黒く丸いものが沢山ついていたりするが、これはカニビルの卵で、これが沢山ついているものは脱皮してから一定の期間を経ている証と言える。逆に付いていないものは脱皮後まだ時間が経っていない場合があり、持ってみて甲羅の硬さを確かめる必要がある。ただし、生息域によってはカニビル自体が少ないため付いていないだけのこともあるので、付いていないからダメという訳では決してない。

●ズワイガニと紅ズワイガニの見分け方

 ベニズワイガニは生の状態だと明らかにズワイガニに比べ色が赤いので見分けやすいが、茹でられた状態だと同じような色になってしまい分かりにくくなる。見分けるポイントは、大きく2つ。

◆1.脚の裏側の色

 カニを裏返してみて、足を見る。茹でてもズワイガニはそれほど赤くならないのに対しベニズワイガニは足の裏も表と同じように赤い色をしている。

◆2.甲羅を横から見てみる

 どちらも甲羅の後ろ側の一番下に、2重の起伏があるが、ズワイガニは前の方まではっきりと二重になったままなのに対し、ベニズワイガニは途中で一重になっている。

ズワイガニの甲羅

◆3.カニビルの卵はベニズワイガニにも付くことがある

 ズワイガニに見られる甲羅に付く黒いカニビルの卵はベニズワイガニにはほとんど見られないが、たまに付いていることもあるので、付いていればズワイガニとは言い切れない。

■ズワイガニの主な料理

●ズワイガニの刺身

 ズワイガニの脚の身を取り出し、赤い膜を剥いて氷水に落とし、5分ほど浸けておくと花が開いたようになる。これをわさび醤油などで食べる。

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 活け物ならではの食感と味わいが堪能できる。殻を削ぐように切り、身を引き出すのだが、その際カニのエキスがかなり流失してしまう上、身の表面の赤い膜も取り除くのでとても贅沢な食べ方である。

 それゆえ、エビや他のカニとは違った醍醐味があり、その味わいは独特の舌触りや食感とともに旨味甘味が口いっぱいに広がる至高の満足感がある。

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●ズワイガニの茹でがに又は蒸しがに

 ズワイガニのもっとも一般的な食べ方はやはり茹でガニだろう。

 また、茹でたズワイガニはそのまま食べるのはもちろんだが、様々な料理にも使える。茹でる場合は、海水と同じくらいの濃度の塩を加えた湯で茹でる。

 その際、活きた元気なカニをいきなり熱湯の中へ入れると、カニが暴れたり筋肉が萎縮するのか脚が取れてしまう事があるので、カニを〆るか失神させてから投入する。失神させるには、真水に数分動かなくなるまで浸けておくのが比較的簡単。

 注意点は、脚を切り取ってゆでると、そこから旨みが流失するので丸のまま茹でること。もう一点はカニ味噌が流れ出ないように裏返して甲羅を下にして茹でること。

 茹で時間は、カニを投入後、再度沸騰してから20分から25分ほど。茹で上がったらすぐに冷水に落とし、2分ほど浸けておいたほうが身が締まって美味しく仕上がる。

●ズワイガニの焼きがに

 ズワイガニの脚の部分を切り取り、食べやすい用に殻を蓋を開けたように削いでから炭火などで焼く。茹でガニとはまた違った香ばしい香りと共に甘い身が楽しめる。

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●ズワイガニのカニすき、鍋

 鍋にする場合は生のまま入れる場合と、茹でたものを入れる場合がある。どちらが正しいと言うわけではなく、好みで選べばいい。生のままの場合は甲羅や脚などをたわしなどで十分に洗ってから投入しよう。

 ズワイガニは旨みが出汁となって溶け出しやすいので、身そのものを美味しく食べたいなら煮過ぎないことだ。茹でるときと同じくらい煮てしまうと、手足をばらしているので旨みが抜けてしまう。

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 茹でガニの場合は温まればそれで十分。ただ、鍋の出汁にカニの風味は移りにくく、移るまで煮た頃には身は出し殻となっている。

●ズワイガニのカニ味噌甲羅焼き

 活けのズワイガニをさばき、カニミソが付いたままの甲羅に酒を少し加え火にかけて煮詰める。甲羅が焼ける香ばしい香りが加わり、カニの身にこのミソを絡めて食べる。

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 茹でガニのカニミソとはまた違った味わいで実に美味しい。

●ズワイガニの天ぷら

 活けのズワイガニをさばき、カニの脚を天ぷらにしたもの。殻から取り出した身に衣をまぶして揚げるのだが、むき身の時よりも身がふっくらと膨らみ、弾力のあるとてもいい食感に揚がる。

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 上品な甘みが口に広がり、茹でガニとは違った満足感が得られる料理だ。

 あらかじめ殻をむいて冷凍されたものを使ってもいいだろう。

■ズワイガニの料理レシピ いろいろ

 主な料理レシピサイトのズワイガニを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

クックパッド レシピブログ 楽天レシピ

 
 

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