ズワイガニの地域ブランドや呼称

生け簀の松葉ガニ ズワイガニ

●越前がに(エチゼンガニ)とセイコガニ

 越前がには越前港や三国港など越前海岸にある主要港に水揚げされたオスのズワイガニの名称です。明治時代から、代々の天皇に獲れたカニを献上しているため、「献上がに」として全国的にも有名です。

 ここの漁船は漁を終えると、漁場から2時間のうちに帰港し、すぐに市場に出荷されます。

 「越前がに」には黄色い証明タグが腕についています。最高ランクは「極(きわみ)」で、甲幅145mm以上、1.3kg以上、ハサミ幅 30mm以上など厳しい条件をクリアしたもののみとなっています。

 メスはセイコガニと呼ばれています。

●加能ガニ(カノウガニ)と香箱蟹(コウバコガニ)

 加能ガニは橋立漁港を筆頭に金沢港など、石川県内の加賀、能登の漁港で水揚げされたオスのズワイガニのブランド名称で2001年に命名されました。

 また同じく石川県下の漁港で水揚げされたメスのズワイガニは「香箱蟹」という名称でブランド化されています。メスガニのブランド化を進めているのはここだけです。

 加能ガニは青色の証明タグが付けられています。

●芳(ヨシ)ガニとクボガニ

 山形県の庄内に水揚げされるズワイガニ。漁期は10月初旬から翌年の春までで、主に底引き網で漁獲されています。メスはクボガニと呼ばれています。

 庄内芳ガニの証明タグは白色です。

●松葉ガニ(マツバガニ)と親がに

 「松葉がに」は鳥取をはじめ島根県、兵庫県、京都府の山陰地方で水揚げされるオスのズワイガニの名称です。島根県や鳥取県などの地方ではメスを「親がに」又は「子持ちがに」と呼んでいます。また、脱皮して間がなく、殻が柔らかい雄を「若松葉がに」と呼んでいます。

 また、松葉ガニでも、産地ごとにブランドがあります。

●間人がにとコッペガニ

 京都北部の丹後半島にある間人(たいざ)港で水揚げされる松葉ガニを「間人(たいざ)ガニ」と呼びます。京都府の最北端経ヶ岬の沖合いを漁場とし、日帰りで漁をして獲ったその日のうちに競りにかけられる事で有名になりました。どこよりも鮮度がよく、その分、身が詰まっていて美味しい極上のカニです。

 間人港では5隻しかカニ漁の船がなく、非常に希少なカニと言われています。

 身詰まりや大きさ、重さ、キズや色つや、形の良し悪し、成長の度合いなど、全ての条件を満たした物にだけ「間人ガニ」と刻まれた丸い緑色の証明タグが付けられます。タグには文字で漁港名(間人漁港)、漁船名等も記載されています。

 京都丹後地方ではメスガニをコッペガニと呼んでいます。

●津居山(ついやま)ガニとセコガニ

 津居山ガニ(ついやまがに)は兵庫県北部(但馬地方)豊岡市の津居山港(ついやまこう)に水揚げされたオスのズワイガニのブランド名です。ここでも間人と同じようにその日とれたズワイガニをその日のうちに港に持ち帰る「日帰り操業」が行われており、その品質は非常に高く評価されつつあります。

 津居山ガニには青い証明タグが付けられています。

 この地元ではオスを「地がに」、メスはセコガニと呼ばれています。

●浜坂ガニ・柴山ガニ

 浜坂ガニは兵庫県の浜坂港に水揚げされる松葉ガニで、証明タグは白色。

 柴山ガニは同じく兵庫県の柴山港に水揚げされた松葉ガニで、そのランク分けは何と110もの階級があるそうです。証明タグはピンク色で、最上級のものは「柴山ゴールド」として黒に金色のタグが付きます。

●隠岐松葉ガニ

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 隠岐松葉ガニは島根県隠岐の島の周辺の海で独自の「カニ篭漁業」によって漁獲された松葉ガニで、700g以上の大きさのものに認証タグが付けられます。証明タグは青色で水揚げした漁協支部名と船名が入っています。

●鳥取松葉ガニ

 鳥取松葉ガニは鳥取県内の境漁港、鳥取港、網代漁港に沖合底引き網漁船が水揚げした松葉ガニで、甲羅幅11センチ以上で高品質の松葉がに認証タグが付けられます。証明タグは白地に赤い文字で、甲幅13.5センチ以上、重さ1.2kg以上、鮮やかな色合いで脚が全てそろっている実入りの良い最高品質のものは「五輝星(いつきぼし)」として特別タグが付けられます。


 
 

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