マダコ/まだこ/真蛸:生態や特徴と産地や旬
●マダコの生態や特徴
◆マダコとは
分類:動物界 - 軟体動物門 - 頭足綱 - 鞘形亜綱 - 八腕形上目 - タコ目 - 無触毛亜目 - マダコ科 - マダコ属(日本海洋データセンターより)
学名:Octopus vulgaris Cuvier, 1797
和名:まだこ/真蛸
英名:Octopus
別名:一般に「タコ」と言えば本種のマダコを指す。
マダコは食用とされるタコの代表格で、一般に「タコ」と言えば本種を指すことが多い。しかし近年は漁獲量が少なく高値で取引され、海外から大量に輸入されたものがスーパーには並んでいる。
一般的にスーパーなどでは生の状態ではなく、茹でられた状態で売られている。
◆マダコの生態
マダコは温帯性で、その分布は太平洋や日本海をはじめ、大西洋、地中海と世界中に及ぶ。日本近海では北陸辺りから九州西岸の日本海沿岸、三陸辺りから四国、九州にかけての太平洋沿岸、瀬戸内海で漁獲されている。
潮間帯から水深40m程までのところに多く、日中は岩礁の隙間などに潜み、夜になると活発に行動し、エビなどの甲殻類や二枚貝などを捕食する。タコは賢い動物としても知られ、スクリューキャップを締められた瓶の中から、キャップをまわして自力で脱出する様子がテレビなどでも公開されていた。硬い二枚貝も強い腕で締めあげ、チラミンとセファロトキシンという毒が含まれる唾液を注入し、獲物を麻痺させて殻をこじ開けてしまう。
マダコの体表は色素細胞で覆われ、周囲の環境に合わせて体色を変化させ岩石や海藻に擬態する。また、イカのように墨を吐くことで外敵の目をくらますことは良く知られているが、その他にも、いざとなればトカゲのしっぽと同じく、自ら腕を切り落とし、それをおとりにして逃げることもあるようだ。
寿命はおよそ2年と考えられている。
◆マダコの産卵期
マダコの産卵期は春から秋にかけてで、海域にもよるが暑い夏にピークを迎えるとされる。
メスは交尾後岩礁の穴の中などを巣にし、その天井にぶどうの房状の卵塊を十数個ぶら下げるように産み付ける。この卵はその様子が藤の花を思わせることから海藤花(かいとうげ)と呼ばれる。
メスはその後卵が孵化するまでの1カ月間程何も食べずに卵の傍から離れず、常に新鮮な水を送り込んだり、腕の吸盤でブラッシングして外敵から卵を守り、孵化するのを見届けた後、力尽きて絶命する。
◆マダコの特徴
マダコは全長60cm程になり、オスよりメスの方が大きくなる。
胴(頭のような部分)の漏斗と呼ばれる噴水口がある方が腹側で、通常背を上にして海底を移動する。
腕は左右の第2第3腕が少し長く、オスの右第3腕は交接腕と呼ばれ、他の腕に比べ先が丸く、吸盤が無い。これは繁殖期にメスの体内に精子のカプセルを送り込むために使われる。
●マダコの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
マダコは生息海域の沿岸各地でタコ壺漁や底引き網などによって漁獲されている。主な産地は「明石だこ」で有名な兵庫県をはじめとする瀬戸内海沿岸各地や三陸などとなっている。
◆マダコの漁獲時期と旬
マダコの旬は、産地によって違い、瀬戸内海周辺では産卵期に入る6~9月頃のものを「麦わらだこ」と呼び旬とされている。一方、三陸では11~12月が漁期となり初冬が旬となる。
マダコ | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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三陸 | ||||||||||||
瀬戸内 |