シタビラメ/舌平目/したびらめ<ウシノシタ科:生態や特徴と産地や旬
●シタヒラメ/舌平目の生態や種類
◆シタビラメ/舌平目とは
分類:魚類 > 条鰭綱 > カレイ目 > カレイ亜目 > Soleoidea上科 > ウシノシタ科 > Cynoglossinae亜科(日本海洋データセンターより)
英語:Sole 仏語:Sole
別名:ゲタは、シタビラメ、ゾウリ、クツゾコ
一般にシタヒラメ/舌平目と呼ばれるものにはいくつかの種族の魚がいますが、ヒラメと同じように左側に両目が付いていてもヒラメ科ではなくカレイ目ウシノシタ科に属する魚で、近海で獲れ、食用となる主なものは「イヌノシタ(アカシタ)」、「アカシタビラメ(アオシタ)」、「コウライアカシタビラメ(バケシタ)」、「クロウシノシタ(クロシタ)」、ゲンコなどがある。
フランス料理でおなじみの舌平目。ヨーロッパではドーバー海峡周辺で獲れるドーバソールと呼ばれるものが使われているが、日本ではアカシタヒラメやイヌノシタ、クロウシノシタが使われている。
市場ではイヌノシタとアカシタビラメをあまり区別せず単に「アカシタ」として扱うことも多く、それに対してクロウシノシタは「クロシタ」と呼び区別されている。
「シタビラメ」や「ウシノシタ」「イヌノシタ」などの名称はその形が舌の形に似ているからで、地方によっては「ベロ」などとも呼ばれる。また、英語では「Sole(ソール)」だが、これは靴底を意味し、これもその形から付けられている。日本でも地域によっては「ゾウリ」や「クツゾコ」と呼ぶところもある。
◆シタヒラメ/舌平目の生態
イヌノシタやアカシタビラメ、クロウシノシタ、それにコウライアカシタビラメの生態はほぼ似たり寄ったりで、同じように海底に張り付くように潜み、多毛類や小さな甲殻類、小さな二枚貝などの底生動物を捕食し生息している。
イヌノシタは比較的泥底に多く、コウライアカシタビラメは砂底に多い事や、コウライアカシタビラメは春頃産卵するのに対し、他のシタビラメ類は初夏から夏にかけて産卵するものが多いなど若干の違いがみられる。
●シタヒラメ/舌平目の特徴と見分け方
◆シタヒラメ/舌平目の特徴
シタビラメと呼ばれるものはいずれもヒラメのように体の左側に両目が付き、体は踏まれたかのように薄く平たい。また、口がヒラメやカレイのように体の先端に開くのではなく、口先と言うか鼻先がカギ型に口よりも前を覆っている。
身はいずれも薄く、脂肪分がとても少ない淡白な白身だが、その中でもコウライアカシタビラメが最も脂が多く肉厚。イヌノシタとクロウシノシタを比べると、イヌノシタの方がやや水分が多く身が柔らかく感じるがその分肉厚で、クロウシノシタの身は締まっているが身が薄い。
●見分け方
シタビラメには大きく分けるとアカシタ(イヌノシタやアカシタビラメ)とクロウシノシタ(クロシタ)ががあり、表面が白い側(目が無い方)の縁にあるヒレが黒い物がクロシタ。
イヌノシタとアカシタビラメは一見よく似ているが、イヌノシタの有眼側には中央に一本と背ビレに沿って一本の計2本しか側線がなく、他のウシノシタ科には腹側にもう一本の計3本あるので見分けられる。ただし、写真では判別しにくい。また、アカシタビラメとコウライアカシタビラメでは、アカシタビラメが30cm程にしかならないのに対し、コウライアカシタビラメは60cm程にもなる大型種であることと、ウロコが細かい。
●シタヒラメ/舌平目の主な産地と旬
◆シタヒラメ/舌平目の主な産地
アカシタヒラメは瀬戸内海や九州など主に西日本で多く漁獲され、クロウシノシタは関東以北でも水揚げがあり、関東ではクロウシノシタの方が多く目にする。価格は小さいものは安く総菜向きだが、大きいものは高級魚に近い扱い。
◆シタヒラメ/舌平目の漁獲時期と旬
シタビラメ類は通年水揚げがあり、味的にも季節変動が少ない魚だが、産卵後は避けた方がより。それぞれの旬に関しては各種の紹介ページを参照。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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イヌノシタ | ||||||||||||
クロウシノシタ | ||||||||||||
コウライアカシタビラメ |