ガザミ/がざみ < ワタリガニ/渡り蟹

ガザミのオストメス ワタリガニ/渡り蟹

●ガザミの生態や特徴

◆ガザミとは

分類:ホンエビ上目 > 十脚目 > 抱卵亜目 > 短尾下目 > ガザミ/ワタリガニ上科 > ガザミ/ワタリガニ科 > ガザミ亜科 >ガザミ属 > ガザミ亜属

学名:Portunus (Portunus) trituberculatus (Miers, 1876)

英語:Gazami crab

別名:ワタリガニ(渡り蟹)、ヒシガニ(菱蟹)

◆ガザミの生態

 一般にワタリガニと言えばこのガザミをイメージする方が多いのではないでしょうか。

 ガザミは広くは北海道南部辺りから朝鮮半島、中国、台湾まで分布し、日本では北海道南部から九州までの内湾を中心に、水深30mまでの砂泥底に生息しています。

 夜行性で、明るいうちは砂泥底に潜ってじっとしていて、暗くなると小魚や貝類など主に動物性の餌を求めて活動します。

 夏の終わりごろから秋にかけて脱皮し、交尾しますが、雌は交尾の後深い場所に移動し、冬場そのまま冬眠に入ります。翌春冬眠から覚めてから産卵期を迎えます。また、ガザミの仲間は2回に分けて産卵する性質があり、最初に産卵した卵が孵化するまで抱卵し、孵化し終えたら2回目の産卵をします。こうしてほぼ夏の終わり近くまでメスは少なからず抱卵している状態になります。

 寿命は2年から3年程とされ、甲幅15~20㎝ほどになります。

◆ガザミの特徴

ガザミ/ワタリガニ/渡り蟹のオスの腹ガザミ/ワタリガニ/渡り蟹のメスの腹

 ガザミは雄と雌が一見よく似ていますが、裏返すと一目で見分けられます。いずれも裏側は白いですが、雄のフンドシは細いのに対し、雌のものは抱卵できるように幅が広くなっています。

 ガザミはヒシガニという別名を持つように、甲羅の左右が突き出て尖ったひし形のような形をしており、甲羅と一番後ろの脚の色は雄雌共に緑灰色で、甲羅の後方の縁と脚には白い斑点があります。甲羅の前の縁は左右の尖った部分までのこぎり状にギザギザしています。

ガザミ/ワタリガニ/渡り蟹のオスとメス

 2本の腕には雄雌共に強いハサミを付けていて、雄の方が細長く、雌のものは雄に比べると太く短いです。腕には左右それぞれ4~5つの棘があります。

 2~4番目の脚は雄雌とも青みがかっていて、5番目(一番後ろの脚)の先はワタリガニ/ガザミ類特有の形で、オールのように平らになっています。


 
 

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