トゲクリガニ:食べ方や主な料理

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 トゲクリガニの見分け方や美味しい食べ方や調理方法と主な料理などを写真と共に紹介します。トゲクリガニは一般的には茹でてそのまま食べるか、茹でてから身をほぐして料理に使います。

■トゲクリガニの目利き

●雄と雌

 トゲクリガニの雄と雌の見分け方は、カニ全般に言える事ですが、腹にある三角の袴部分を見て、幅が広い方が雌、細い方が雄です。メスはこの部分に卵を抱えます。

トゲクリガニのオス,雄 トゲクリガニのメス,雌

 味は好みにもよりますが、雌の方には内子が入り、これが人気で価格も高くなっています。それに対し雄は安いのですが、身自体の味は雄の方が脚が長い分身も多く、味も美味しいという方もいます。

●持った時に重い物

トゲクリガニ(オス)/棘栗蟹(雄)

 手に持った時にずっしりと重みを感じるものを選びます。蟹味噌や身がしっかりと詰まっている証です。

 カニは死ぬと味が落ちるのがとても早いので、活け物であることが大事です。なるべく元気なものを選びましょう。

●甲羅が固いもの 色が濃い物

トゲクリガニ(オス)/棘栗蟹(雄)

 トゲクリガニは甲羅や爪の色が濃いものの方が身が充実している傾向があるといわれています。実際、いくつも食べた経験からもそれは検証できています。これは脱皮してから日数が経つにつれて色が濃くなっていくからと思われます。

 おそらく出回る時期の物は大丈夫だと思いますが、甲羅が柔らかくフカフカしているものは脱皮して間が無い物です。そういったものは身痩せしている事が多いので避けましょう。

■トゲクリガニの食べ方と主な料理

●トゲクリガニの茹で方

 活きたトゲクリガニを自分で茹でる場合、茹で方は毛ガニと同じです。まずカニをたわしなどを使って軽く表面の汚れを落とします。次にゆでる際に脚が取れてしまったりするのを防ぐ意味でも脚を輪ゴムなどで胴とくっついた状態にまとめて置くのが理想です。今回は留めずそのまま茹でました。

トゲクリガニ(オス)をゆでるところ

 鍋に水を張り、3%(水1Lに対し塩約30g)の塩を加え、そこにカニを投入します。水から茹で始めることでカニが脚を自切するのを防ぎます。塩が薄いとカニから旨みが茹で汁に溶け出してしまうので注意してください。

 茹で時間は沸騰してから10分~15分ほど(大きさによって調整)茹でます。カニは念のため甲羅を下にしてゆでましょう。

茹で上がったら甲羅を下にして冷まします。

●トゲクリガニのメスは蟹味噌と内子が旨い

トゲクリガニ,桜ガニ,花見ガニトゲクリガニ,桜ガニ,花見ガニ

 茹でたカニの甲羅を上にして、甲羅の尻部分に指をかけ、頭側へ剥きあげます。すると甲羅に付いた蟹味噌と、胴体にも蟹味噌が残っています。メスの場合、濃いオレンジ色の部分がありますが、それが内子です。この部分だけすくって食べると何とも言えない濃厚な風味が楽しめますが、お勧めは、脚や肩の部分の身を掻きだし、この味噌と混ぜて食べる事です。

茹でたトゲクリガニ(メス)

●トゲクリガニのオスは身も多い

茹でてほぐしたトゲクリガニ(オス)/棘栗蟹(雄)

 オスのトゲクリガニには当然内子は入っていませんが、ミソはちゃんと入っており、脚も若干メスより長く身が多く詰まっています。

●トゲクリガニのかに玉餡かけ

かに玉餡かけ

 トゲクリガニの身を取り出し、卵でとじたものにとろりとした餡をかけた料理。トゲクリガニの身はズワイガニのようにきれいな赤色にはなりませんが、味わいは十分美味しいです。しかも安い。

●トゲクリガニのカニソース・スパゲッティ。

 塩ゆでして蟹味噌と身をとった後の殻を炒め、ブランデーでフランベし、ひたひたまで水を注いで煮ると、カニ殻の美味しい出汁が取れます。これを濾して煮詰め、トマト缶を加えて煮込むと蟹風味のトマトソースが作れます。もちろん、ミソをソースに加えるとさらに濃厚なソースに仕上がります。

 茹でたパスタにこのソースを合わせ、カニの身をトッピングすればトゲクリガニのトマトソースパスタの出来上がり。ソースは生クリームを少し加え、トマトクリームソースにしても美味しい。

●トゲクリガニの茶碗蒸し

 茹でて取り出した身を使った茶わん蒸し。

トゲクリガニの茶碗蒸し

 卵液にカニミソを溶いてカニの身を加え蒸し固める。

●トゲクリガニのカニ飯

 活け物のトゲクリガニをそのままご飯と共に炊き上げたもの。

トゲクリガニのカニ飯

 カニはたわしなどで表面の泥などを綺麗に洗い落としておきます。

 写真は米2カップに対し3杯のカニを入れ、そこに昆布出汁を2カップより少し少なめに入れて醤油をほんの少し垂らして炊き上げています。

 炊き上がったらカニを取り出し、ご飯を混ぜてから、カニの身をほぐして、その身をご飯にまぶします。

 カニミソはお好みで食べる時に載せて食べると良いでしょう。

トゲクリガニのカニ飯

 結構身をほぐすのが面倒ではありますが、カニの出汁がご飯に染み、とても美味しいです。

●トゲクリガニの韓国風チゲ鍋

 トゲクリガニをぶつ切りにし、白菜や豆腐、トッポギ、ニラなどと共に鍋にしたもの。

トゲクリガニの韓国風チゲ鍋

 味付けはキムチとコチジャンと醤油。食べにくくはありますが、止まらない美味しさです。

●トゲクリガニのピラフ

 茹でて取り出したトゲクリガニの身を使ったピラフ。

トゲクリガニのピラフ

 フライパンにみじん切りのニンニクとバターを入れ、香りが立つまで炒め、そこに炊き上がったご飯と茹でてほぐしたカニ身とパセリのみじん切りを加え、さっと炒め合わせたもの。

●トゲクリガニの豆板醤炒め

 ぶつ切りにしたトゲクリガニを、さっと油で揚げ、野菜と共に豆板醤、酒、醤油、ごま油で炒め合わせたもの。

トゲクリガニの豆板醤炒め

 殻は食べられないので、手を使って身をせせるようにして食べることになりますが、これがまたその面倒さを上回る旨さです。

●毛ガニと同じ料理に使えます。

 茹でたカニの身や蟹味噌で色々な料理が楽しめます。代表的なものはかに玉やカニコロッケ、甲羅を器に使ったグラタン、ほぐし身で色々な和え物やサラダなどがあり、その他にもパスタなども美味しいでしょう。

◆クリガニを使った料理をレシピサイトで探す

 主な料理レシピサイトのクリガニを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。

 また、近縁種のクリガニの料理も同じ食べ方で楽しめるので、そちらも参考にしてください。

クリガニの目利きと料理 →

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