クリガニ/栗蟹/サクラガニ:生態や特徴と産地や旬
●クリガニの生態や特徴
◆クリガニとは
分類:ホンエビ上目 > 十脚目 > 抱卵亜目 > 短尾下目 > Cheiragonoidea(クリガニ)上科 > Cheiragonidae(クリガニ)科 > クリガニ属(日本海洋データセンターより)
学名:Telmessus cheiragonus (Tilesius, 1812)
和名:くりがに/栗蟹
英名:Helmet crab
別名:サクラガニ/桜蟹
クリガニは毛ガニと同じクリガニ科クリガニ属の一種で、甲長8センチ程のカニです。毛ガニに比べ価格がとても安く、その割に美味しいカニなのでコストパフォーマンスに優れた食材です。
脚が短いため身は少ないが、肩の部分と共に集めると意外なほどある。またミソが旨い上に、メスの内子が絶品で、オスより高値で取引されている。
◆クリガニの生態
クリガニは北海道東岸、北岸からオホーツク海、ベーリング海、さらにはカリフォルニア州の沿岸辺りまで分布し、水深50m以浅の比較的浅い砂底に生息しています。
北海道西岸から三陸沿岸にかけて生息する近縁種のトゲクリガニとは生息域が重ならず産地で判別できるとされています。
◆クリガニの特徴
クリガニは成長しても甲幅11cm、甲長9cm程までの大きさで、毛ガニほど大きくはなりません。
甲羅は頭の部分にのこぎり状に尖った4つの角があり、その中央を頂点に全体が5角形に近い形をしています。
甲羅の表面には小さなイボ状の突起で全体が覆われ、全身に短い毛が生えています。
甲羅の色は赤味のある褐色系で、腹側は淡いベージュで、脚の先はオレンジ色をしています。
一見食べられる部分があまり無さそうに見えますが、殻を剥いてみると中にはカニ味噌がたっぷり詰まっており、メスには濃いオレンジ色の内子も。
また、脚には小さいながら身がぴっちりと詰まっていて、脚と肩の身を掻きだして集めてみると身体の割に意外に沢山詰まっているのに驚きす。
蟹味噌と内子、身ともに甘味があり、磯の香りと共に濃厚な旨みが楽しめ、毛ガニに程ではありませんがとても美味しいカニです。
●クリガニとトゲクリガニの見分け
クリガニとトゲクリガニは外見や大きさなどがほぼ同じでぱっと見ただけで判別するのは難しい。判別するポイントは以下の3つ。
1.クリガニの額角は4歯がほぼ同じ大きさなのに対し、トゲクリガニは真ん中の2歯が気持ち小さめである。
2.クリガニのメスの生殖口の周りには硬くて厚い壁に取り巻かれているのに対し、トゲクリガニにはこの壁がない。
3.クリガニが獲れるのは室蘭・根室・釧路・網走とさらに北のサハリン沿岸、ベーリング海~カリフォルニア北部沿岸であり、トゲクリガニが獲れる北海道西岸から津軽海峡、三陸沿岸からさらに南とは重ならないので、どこで獲れたものかで判別できる。
●クリガニの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
クリガニの主な産地は北海道根室沿岸からオホーツクに面した沿岸。青森県からもクリガニの生息域で漁獲し、青森に水揚げしているものもあるようです。
◆クリガニの漁獲時期と旬
クリガニは主に春から初夏にかけて漁獲されます。春には雌が内子を持ち美味しくなります。夏を過ぎると脱皮したばかりのものなどが多くなるようです。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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クリガニ |