ミルクイ/みる貝/ミルガイ:生態や特徴と産地や旬
●ミルクイ/ミルガイの生態や特徴
◆ミルクイとは
分類:軟体動物門 - 二枚貝綱 - 異歯亜綱 - マルスダレガイ目 - Mactroidea上科 - バカガイ科 - Tresus属(日本海洋データセンターより)
学名:Tresus keenae (Kuroda & Habe, 1950)
和名:みるくい/海松食/水松食
英名:horse clam、species of gaper clam
別名:ミルガイ(みる貝)、ホンミル(本みる)、クロミル(黒ミル)
ミルクイはバカガイ科トレセウス属の二枚貝で、ミルクイ(海松食)の”ミル”とは海中に生えるミル科の緑藻類のことで、ミルクイの長い水管の先端の固い部分にこのミル(海松)が生えることも多く、この貝がこれを食べているように見えるのが名前の由来。
一般的には「ミルガイ」と呼ばれることが多く、大型で味や食感がとてもよく、獲れる数も少ないため超高級品となっており、比較的数が獲れるナミガイが代用品として利用されている。このナミガイは殻が白い事から「シロミル(白みる)」と呼ばれるのに対し、ミルクイは「クロミル(黒みる)」や「ホンミル(本みる」と呼ばれ区別されている。ミルクイは味や食感は別格で価格も倍近く、歩留まりを考えるとアワビ以上に高価なため、主に高級鮨店や割烹などで扱われ、庶民にはなかなか口にすることができない食材である。
◆ミルクイの生態
ミルクイは北海道から九州にかけての沿岸各地と朝鮮半島沿岸に分布し、主に内湾の水深20m以浅の砂泥底に身を縦に潜らせ、伸ばした水管の先だけ出して海水と共にプランクトンなどを吸い込んで食べている。
産卵期は生息海域や個体によって秋から春にかけて幅があり、瀬戸内海周辺での盛期は 10~11 月頃とされている。成長は遅く、殻長10cmになるのに3年ほどかかり、それ以降は年に1cmずつしか大きくならないようだ。寿命は10~15年程と考えられている。
◆ミルクイの特徴
ミルクイは殻長15cm程になる大型の二枚貝で、殻の表面はシジミのように黒い被膜に覆われているが殻頂付近はそれが剥げて白い物が多い。殻高に対して殻長が長く、やや横長の楕円形をしている。
ミルクイの大きな特徴は発達した水管で、太く大きいため殻を閉じても中に収納されることはなく、殻をピタッと閉じた状態でも水管の部分は潰れないようふくらみがある。この水管は黒い皮に包まれ、先端部には硬い殻状の皮があり、その部分にミル(海松)などの藻が生えたりする。
●ミルクイ/ミルガイの主な産地と旬
◆ミルクイの主な産地と漁獲量
主な産地として知られているのは愛知県の三河湾をはじめ、瀬戸内海や江戸前と呼ばれる東京湾だが、獲れる量は極わずか。
近年は韓国から活け物が比較的安く入ってきている他、近縁種がアメリカからも輸入されている。
◆ミルクイの漁獲時期と旬
ミルクイの産卵期は産地や個体によって幅があり、最盛期は秋と春にあると言われている。夏の間は漁獲量が減る。
食べて美味しい旬は冬から春にかけてとされている。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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